本屋大賞「成瀬あかり」は現実のM–1でどこまで通用するか M-1創設者が驚愕する「成瀬本」の深いM–1描写
成瀬のおかげで、ぼくのふるさと、滋賀が今熱い。 滋賀を舞台にした『成瀬は天下を取りにいく』は「2024年本屋大賞」をはじめ、なんとこれまでに15冠獲得した。おかげで滋賀が(ちなみに関西人は「滋賀」という単語のアクセントのせいで「滋賀が」と言いにくいので、大体みな「滋賀県が」と言う)、琵琶湖が、西武大津店が、琵琶湖の観光船ミシガンが、そして膳所が注目を浴びている。こんなに注目を浴びるのは滋賀県の長い歴史の中でも、大津京時代と戦国時代、そして桜田門外の変以来である。
■今年のM–1への「成瀬」たちの出場が楽しみ このようにぼくとM–1に非常に関係の深い『成瀬は天下を取りにいく』であるが、この本を読んでM–1に挑戦する人がさらに増えたらうれしい。そして漫才のおもしろさ、楽しさをたくさんの人に知ってもらえたら尚うれしい。 今年もいよいよM–1グランプリが始まる。8月1日には予選1回戦がスタートする。 「成瀬」の影響で、今年は全国から例年以上にたくさんのアマチュアが参加してくるかもしれない。もしかして、本物の成瀬も参加して、見事1回戦を突破するかもしれない。そう思うと今からワクワクする。
谷 良一 :元吉本興業ホールディングス取締役