大腸ポリープはがんになる?大腸がんの可能性や予防効果のある食べ物を医学博士が解説
5月31日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』に、「大腸にポリープ見つかった」という51歳男性から投稿が寄せられました。大腸がんの可能性や、がんの予防について、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が回答します。 【動画】早期発見が鍵!大腸がんの基礎知識を分かり易く解説!初期症状があまりない大腸がんを見分けるポイントはこちら【1分42秒~】
大腸にポリープ
「先日、大腸ポリープが合計4つ見つかって、うち1つは11mmでした。検査結果は悪性ではありませんでした。 姉やおじも大腸ポリープを5つ切除したそうです。このポリープができやすい、できにくいは遺伝が大きく関係するのでしょうか?ポリープができにくくなる方法があれば教えてください」(Aさん) ポリープについて解説する吉田先生。 吉田「ポリープは大腸だけでなく、胃や胆のう、声帯にもよくできます。ポリープを病名だと思っている人は結構いますが、医学的には見た目で、粘膜からぽこっと突出していたらなんでもポリープです。 声を出す声帯にできるポリープは粘膜にできた傷が治る時に、細胞が増えすぎて突出した塊になってしまう。それで声が出にくくなるものですが、このタイプはがんに発展することはないです。 大腸にもまったく同じタイプのポリープもできますが、大腸で問題になるのは、もうひとつの腫瘍でできているポリープ。これは大腸がんに発展する可能性があります」
腫瘍のポリープ
人体の細胞は、細胞分裂が厳密にコントロールされており、必要な部分に必要な細胞数だけ増えるように遺伝子が設計されていると吉田先生。 吉田「やはり年齢を経て、何度も何度も細胞分裂していくうちに遺伝子のコピーがうまくできなくなって、必要以上に細胞が増えて塊になってしまうことがあって、これが腫瘍のポリープです。 ただ、この状態では細胞が増えているだけで、それ以上悪いことをしない。これが良性の状態。 残念ながら、そのうちの一部はいずれ悪性になることがあり、そうなると大腸がんとなります」
遺伝はするのか?
Aさんが質問したように、ポリープと遺伝には関係はあるのでしょうか? 吉田「まず家族性大腸ポリポーシスという病気があります。大腸に100個以上のポリープができて、すごく高い確率で大腸がんになります。 これはAPCという遺伝子の変異によっておきますが、親から子に50%の確率で遺伝します。だから血縁者にこの病気の人がいる場合は、遺伝子検査と定期的な大腸内視鏡検査が必要です。 ただ、そうでない普通の大腸ポリープについても最近の研究だと、マイクロサテライト不安定性というDNAの性質が遺伝するとか多少遺伝の影響は見つかっています。ただ要因の中心は食生活、生活習慣の方がはるかに大きいです」