リタイア世代こそ新型NISAが必要な5つの理由!
年3%のインフレで10年後の資産はどうなるか
シニア世代、もしくはリタイア世代と言われる年齢層の人にとって、資産運用は怖い、リスクがつきまとう、といったイメージを持つ人が多いだろう。確かに株価の暴落もあれば、為替変動もある。資産運用に価格変動リスクはつきものだ。しかし、預貯金にもインフレという大きなリスクがあることを忘れてはいけない。しかも、今後はそのリスクが現実のものになる。 現在のような年3%程度のインフレ率が続いていけば、単純な複利計算なら10年後には34%程度の資産が目減りする。総務省の家計調査によると、世帯主が65歳以上の無職世帯の金融資産は、平均で2504万円となっている。このうち預貯金は1600万円。6割超が預貯金に偏っているわけだが、インフレが続けばそれが10年間で実質1200万円以下になってしまうことになる。 日本銀行がマイナス金利を解除して、今後は金利のある社会になりつつあると言われているが、日本銀行や日本政府が抱える「利息を支払わなくてはならない借金(債務)」の額を考えると、とても金利を大きく上げられるような環境ではない。日本銀行は、「1.8%」まで金利を上げると債務不履行に陥るというシミュレーションもある。つまり、預貯金が利子で増えることは期待できない。 20~30年の老後生活を、これまでのように何もせず、預貯金を取り崩しながら年金だけで暮らしていく、という生活スタイルは通用しないかもしれない。 では、具体的にどんな資産運用法があるのか。新型NISAはつみたて投資枠と成長投資枠の2種類だが、年間120万円、月額10万円のつみたて投資枠を使ってリスクを分散させる方法が注目されている。成長投資枠で個別株などに投資すると、株価暴落などのリスクが大きいが、つみたて投資であれば、ある程度の価格変動リスクを吸収することができるかもしれない。 期限が無期限になったために、NISAでも長期投資が可能となり、リスクを分散できる。退職金をそのまま預貯金にして放置しておくのではなく、仮に月額1万円でもいいから、とりあえずは投資スキルを身に付ける意味でスタートさせる。そんな方法でも構わない。