ヒグマ猟友会が駆除拒否報道の「ほんとうの原因」…当事者ハンターが明かす「警察に訴えた人物」の存在
まさかの逆転判決
「これは冤罪だ!一日も早く不当な処分を取り消してもらいたい!」 そう怒りを露にするのは、北海道猟友会砂川支部支部長の池上治男氏(75歳)だ。同氏は'18年8月のヒグマ駆除の際、発砲した弾が建物に当たる恐れがあったとされ、北海道公安委員会から猟銃所持の許可を取り消された。これに対し、池上氏は撤回を求めて提訴。1審ではその主張が全面的に認められるも、10月18日の札幌高裁でまさかの逆転判決が下された。 【写真】北海道中を恐怖の渦に叩き落とした「最凶クマ」OSO18の「最期の姿」 「判決に対する不信感を募らせた北海道猟友会は、自治体からのヒグマ駆除要請に原則応じない方針を検討しています」(猟友会関係者) 地域住民を守る駆除行為が「事件」として扱われることになったのはなぜなのか。裏には、ある人物の「告発」が関係していると池上氏は話す。 「駆除の現場には私の他にもう一人、ヒグマにとどめを刺したハンターのA氏がいました。そのA氏が駆除の数時間後、私の撃った弾が跳弾となって自分の銃床に当たったと言い出し、『カネを出さなければ警察に行くぞ』と迫ってきた。相手にしないでいると、A氏は本当に警察に訴えたのです」
「今後駆除要請に応じるのは難しくなるでしょう」
当初、A氏の主張は証拠不十分とみなされた。すると、砂川署は唐突に「建物に当たる恐れがあった」として池上氏を書類送検。検察は不起訴処分としたが、同氏は猟銃を奪われることになる。 前出の猟友会関係者はこれに疑問を呈する。 「A氏の不可解な告発の裏には池上さんに対するわだかまりがあったようです。警察は別の容疑を持ち出して強引に事件化する必要があったのか。正当な駆除をして処罰されるのでは、今後駆除要請に応じるのが難しくなるでしょう」 ハンター同士のいざこざに端を発した騒動が北海道全土を巻き込む事態へと発展したわけだ。池上氏は上告した。最高裁の判断によって道民の安全が左右されそうだ。 「週刊現代」2024年11月30日号より 【詳しくはこちら】「ウチらは警察や役所の下請けじゃない!」猟友会のクマ撃ちが激怒…出動要請されても協力したくない「本当の理由」
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