円は対ドルで157円台前半に上昇、日米の中銀会合通過し持ち高調整
(ブルームバーグ): 20日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=157円台前半に上昇。日本と米国の金融政策決定を通過し、クリスマスや年末年始の休暇を前に持ち高調整の円買い・ドル売りが出ている。加藤勝信財務相が急激な円安をけん制したことによる影響は限定的だった。
マネックス証券の債券・為替トレーダー、相馬勉氏は「日米の中銀会合を終えたため、来週のクリスマス休暇を前に持ち高調整や利益確定の円買い戻しが優勢だ」と指摘した。
きょうは商業決済が集中する五・十日(ごとおび)に当たる。みずほ銀行金融市場部グローバル為替トレーディングチームの南英明ディレクターは、円相場は「実需の需給が相場を主導している」と説明。金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけてドル需要が強まったものの、円の安値圏では輸出企業による円買いの動きも見られたと述べた。
日本銀行の利上げ慎重姿勢を背景に円が一時5カ月ぶりの対ドル安値を更新したことで、市場では介入警戒感がくすぶり始めている。加藤財務相はこの日の閣議後会見で、急速な円安進行をけん制した。マネックス証券の相馬氏は「けん制が来るのは想定内だった」とし、1ドル=160円台に下落してからのけん制の方が実弾介入との距離を測る上で重要だと語った。
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Daisuke Sakai