どうなる巨人春季キャンプでの7人による二塁バトル!仕掛け人の元木新ヘッドは「レギュラー取って年俸1億円奪え!」
春季キャンプインを直前に控えた巨人の注目は白紙状態の二塁のポジション争いだ。1軍メンバーには、吉川尚輝(24)、田中俊太(26)、山本泰寛(26)、若林晃弘(26)、北村拓己(24)、黒田響生(19)、平間隼人(23)の7人の二塁候補が抜擢された。 今季から新ヘッドコーチに就任した元木大介氏(48)は、先日、地元大阪・豊中で行った「元木流マネジメントと組織力」と題したトークショーで8選手による大バトル勃発を予告していた。「打倒!ホークス」を掲げ、鬼軍曹としてチームの競争心をあおり、リーグV2、日本一奪回へ向けてチームの底上げを図ることを狙いとする元木新ヘッドが考える二塁バトルの行方とは?
新ヘッド打診は日本シリーズ中に
生まれ育った豊中で新ヘッドコーチがトークショーを行うと聞いて、会場を覗いた。いつもの軽妙トーク。会場の一角には小学校時代の恩師をはじめ、同級生の姿。さらに、近所の人々も混じり、地元のヒーローの凱旋を温かく迎えた。 マイクを握った元木ヘッドは少し照れながら登場。「阪神ファンばかりだったらどうしようかと思ってましたよ」と満員の客席に向かって上機嫌で切り出すと「ヘッドになって(ストレスで)体重が10キロ増えました」など、2時間近く、大阪人らしいトークを展開した。 2018年オフ、原辰徳監督から「ジャイアンツに力を貸してくれ」とLINEでコーチの要請を受けた。「最初はゴルフの誘いかと思った」。原さんが監督に復帰するとも思っていなかったそうで「話の途中から、もしかしたらと思った」と正直に打ち明けた。 ユニホームを着た昨季は内野守備兼打撃コーチの肩書で、三塁コーチャーズボックスを任された。だが、今季はヘッドコーチというより責任のある立場となる。 ヘッドコーチの要請を受けたのは日本シリーズの最中。3連敗で迎えたソフトバンクとの日本シリーズ第4戦の試合前、監督室で告げられた。 「正直驚きました。オレにできるのかなと。いままでは野手だけだったけれど、今年は投手も見なけりゃいけない立場になった。監督、コーチ、選手の間に入って仕事は増えるけれど、これまで通りに自然体でいきますよ。ヘッドになってから突然、先輩コーチに”元木さん”と呼ばれましたが、それはやめましょうと伝えました」 昨季もコーチ就任後、コミュニケーションを高めることに照準を絞った。いわば、元木流マネジメント。選手の性格を知ろうと、積極的に食事に誘い、何を考えているのか、どういう選手になりたいのかなど対話を重ねていった。 「キャンプ早々、(阿部)慎之助(現2軍監督)や(坂本)勇人とも(食事に)行きましたよ。若い選手にはコーチが言うより、先輩やチームメートが言う方が伝わりやすい。コーチ同士で食事に行くことは少ないけれど相川とはたまに出掛けます」 昨季は5年ぶりのリーグ制覇を成し遂げたが、日本シリーズでは、ソフトバンクに4連敗と屈辱にまみれた。いま頭にあるのはリベンジへの思い。そのためには、若手のレベルアップを図り、選手層を厚くしなければならない。元木ヘッドが仕掛けるのは二塁のレギュラー争いだ。