どうなる巨人春季キャンプでの7人による二塁バトル!仕掛け人の元木新ヘッドは「レギュラー取って年俸1億円奪え!」
「ホークスは短期決戦の戦い方に慣れているのもあったが、とにかく選手の層が厚かった。春のキャンプの大きなポイントはセカンドのレギュラー争いでしょう。候補は8人いる。ポジションが空いているんだから取らないともったいない。いまはレギュラーになったらすぐに1億円もらえるんだからね」 昨年、巨人の開幕戦は吉川尚の「1番・二塁」でスタートしたが腰を痛め、わずか11試合で戦線から離脱した。結局、二塁は固定できず守ったのは7人。田中が39試合、山本が48試合、増田大輝(26)が21試合、若林が58試合、吉川大幾(27)が5試合、ビヤヌエバ(28) が3試合となっている。元木ヘッドが力の差を感じたというソフトバンクとの日本シリーズでは、全4試合に田中がスタメン出場して打率.300はマークしたものの、ここ一番の勝負強さに欠けた。 チームは、昨秋キャンプ、自主トレの動きなどを見て、まずは、吉川尚、田中、山本、若林、北村、黒田、平間の7人を1軍キャンプメンバーに抜擢した。 黒田は2年目、北村は3年目の成長株で、育成ドラフト1位で指名された独立リーグの徳島インディゴソックスの超俊足、平間が即戦力として二塁手争いに加わる。 本命候補はやはり吉川尚だろう。二塁への再チャレンジを宣言し、ハワイへの優勝旅行中に原監督から「頑張れ」と激励された。トップクラスの走力は何よりも魅力。だが、昨秋のキャンプで元木ヘッドは、田中、山本、若林、増田大の1993年生まれ4人を同組にして守備練習を行わせるなど、そのライバル心に火をつけて台頭を促してきた。 打撃のパンチ力では山本。総合力では田中と若林。守備力と走力では、1軍メンバーから漏れた増田大。それぞれが特長をどうアピールするのか。 巨人のOBの一人は、「体調が万全なら吉川尚でしょう。いいものを持っています。課題は1年間故障せずに出られるのかだけ。左打ちの田中俊、右打ちの山本、スイッチの若林は相手投手との兼ね合い。そこに増田大がどこまで割って入れるか」と話す。 2軍スタートとなったが、2年目の増田陸(19)、3年目の湯浅大(20)も、ポジション争いに加わる可能性がある。巨人の宮崎キャンプは1、2軍が同じ敷地内で行うため、頻繁に1、2軍の入れ替えが行われる環境にあり、2軍スタートとなったメンバーにもチャンスはいくらでもある。 ちなみに元木ヘッドは「年俸1億円を狙え」と叱咤したが、現在の二塁手候補の年俸ランキングを見ると、1位が750万円アップの2600万円で更改した山本、2位が500万円ダウンで2300万円となった吉川尚、3位が1020万円アップの1900万円で更改した若林で、以降、 1700万円の田中、1600万円の吉川大、1500万円の増田大と続く。レギュラーを奪いとって優勝に貢献し、素晴らしい結果を積み重ねれば2年後、3年後には年俸1億円突破は見えてくる。 もっとも、2020年オフにはヤクルトの山田哲人がFA権を手にする見込みで、もしFA権を行使すれば、巨人が争奪戦に乗り出すのは間違いないとの噂もあり、なおさら大物が来る前に存在感を示しておきたいとの思いが選手にはあるだろう。