1.7億円かけてダウンロード439人…鹿児島市の公式アプリが大苦戦、目標3万人に遠く及ばず
マイナンバーカードを利用して個人に合った情報を提供しようと、鹿児島市が3月末に運用を開始した市公式アプリのダウンロード数が伸び悩んでいる。3万人の取得目標に対し、8月末でわずか439人。2022~24年度で計約1億7000万円の事業費を計上しているだけに、費用対効果に見合った利用者確保が課題となっている。 【写真】〈別カット〉2万7600人の会員を獲得している市公式観光アプリ「わくわく」。飲食店など鹿児島市内の100店舗が登録されており、ポイント取得・利用ができる
アプリは誰でも無料で取得でき、マイナンバーカードの暗証番号を登録して利用。登録時には広報紙「市民のひろば」の中で関心があるジャンルを選び、お気に入り登録した情報が入手できる。暗証番号を登録しない場合でも、市公共施設やがん検診のウェブ予約といった計26項目のサービスが利用可能となっている。 24年度中には、デジタル身分証やアンケート調査などの機能を追加予定。登録者情報(氏名、住所、生年月日、性別)を生かしたサービス展開ができる点が強みという。しかし、アプリ運用を続けるには維持管理費が年2300万円かかり、さらに機能を追加した場合は年1200万円増えるなど維持コストも必要。市デジタル戦略推進課は「機能を高めながら、周知広報していく」と説明する。 市公式アプリが苦戦する一方、市公式ラインは好調だ。開設から約4年で10万9187人に達した(24年9月末現在)。イベントやごみ分別に関する情報が人気となっている。
22年4月から鹿児島観光コンベンション協会が運用する市公式観光アプリ「わくわく」も、24年7月末時点で会員数は約2万7600人に上る。加盟店(100店舗)のおすすめ情報の確認やポイントの取得・利用ができるのが特徴。22年度~24年7月末の延べ利用者数は2万2785人と会員数と同程度。同じ店舗を複数回利用するリピーターの獲得も課題となっている。
南日本新聞 | 鹿児島