「専門家」と名乗る怪しい人を見抜くには? 搾取ビジネスに騙されない方法
とにかく調べる癖をつけよう
現代は情報が膨大で、発信者の数も限りなく増えています。そして、搾取を念頭に置いている輩はもちろん、そうでない悪気ない発信者であっても、自らの発信内容が「正しい」という前提に立っています。「専門家」や「研究者」を名乗り、洗練された成果のように説明する者もいれば、聞きかじりの立場の者が、さも自分が考えたり、当事者のように装う者もいます。 しかし、その多くは「自称」にすぎず、信頼に足るものは少ないのです。だからこそ、自分で「裏取り」をしなければなりません。意識してほしいのは、とにかく調べる癖をつけるということです。 「不知の自覚」を念頭に置いて「知らない用語」「知らない人」「知らない団体・会社」「知らない経緯」「知らない掲載媒体」など、くどいくらいに裏取りをすれば、怪しいものは必ず違和感が見つかります。そうした違和感を見逃したり、無視したりしてはいけません。第三者に相談することもお勧めします。 加えて、次のポイントも押さえておくといいでしょう。 ・発信者のフォロワー数、閲覧数はまったくアテにならない ・エビデンスが記載されている場合、引用は正確か見る ・言葉の定義は正確か、正しい補足があるか ・第三者による専門性の担保があるか ・極論を振りかざしてないか(意見が偏らず中立な視点か) 引用の正確性とは、文章を見た人が、そのエビデンスのもとを探そうとすれば探せる程度に「その文章の書き手と引用元の文章が区別されていること」と「引用元が明かされていること」の2点が重要です。 同じく、言葉の定義の正確さも重要です。読み手が理解違いをしないような配慮がなされているかで、発信者の誠意が読み取れます。 この視点で考えれば「誰でも簡単に稼げる」とか「●か月で年収●●●万円」なんて、あおれるはずがないのがよくわかるはずです。 「引用元(エビデンス)をたどる」「言葉の正確性をチェックする」「第三者も担保されているか整合性を見る」「極論になっているかどうか、ほかの意見と比較する」など、とにかく身を守るためには「裏取り」をたくさんしなければなりません。
服部真和(行政書士)