「ちょっと高めの血圧」がもたらす悪影響とは?糖尿病専門医「慢性腎臓病の発症リスクは1.28倍。腎臓や体もボロボロに…」
◆塩分過多の食事の影響 血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の壁に与える圧力のことです。 塩分の多い食事を摂れば、ナトリウムが腎臓の濾過処理能力を超えます。 そして、ナトリウムを尿に出せなくなり、血中のナトリウム濃度が上がります。 すると、体はナトリウム濃度を調節するために、血液中に水を引き込みます。 塩分の多いものを食べると喉が渇くのはそのためです。 水を引き込むことで血管を流れる血液量が増えれば、血管に与える圧力が上がる、つまり血圧が上がるのです。
◆加工食品の塩分に気をつける 高血圧になると、腎臓をダメにするだけでなく、体がボロボロになります。 血液を送り出すために心筋は強い収縮を繰り返さねばならず、それだけでも疲れやすくなります。 血管には絶えず強いストレスがかかり、動脈硬化が進みます。 とくに、細い血管が多い腎臓や脳は、しっかり栄養が行き渡らなくなり、大きな影響を受けます。 なお、塩分過多の食事は、血圧を上げる以前の問題として、過酷な濾過処理を強いることで腎臓にダメージを与えます。 コンビニやスーパーの弁当や総菜、加工食品などには、かなりの塩分が含まれていることがあります。 よほど気をつけないと、みなさんの大切な腎臓を守ることはできません。 ※本稿は、『疲れない体をつくる最高の食事術』(小学館)の一部を再編集したものです。
牧田善二