「マサは前GMが獲得した選手だから…」吉田正尚トレード再燃の真相は? 過渡期レッドソックスに“31歳の打撃職人”の居場所はあるか
まるで、それまで堰き止められていたものを吐き出すかのようだった。 ボストン・レッドソックスの吉田正尚(31歳)は普段は口数の多いタイプではないながら、ほぼすべての試合後にプロらしく簡潔にその日のプレーを振り返ってくれる。それが9月29日、ボストンでのシーズン最終戦前に行った今季総括のメディア対応では様相が違った。 【画像】「え!歯白すぎ~」“120億円の男”吉田正尚のステキな笑顔「オオタニも大喜び!何度も見たいWBC劇的3ラン」「“憧れの人”を手に入寮するホッソリ新人時代」も(他100枚超) その会見では一つ一つの返答が長く、非常に詳細で、時に熱い言葉が迸り出てきた。 「今年は自分がオフシーズンから期待していたような終わり方では正直ないというのはあります。全体的な数字の面に関して、試合数を始め、去年より下回っています。そういうところではやっぱり物足りなさといいますか、そういうのを感じながら今日を迎えました」
離脱の原因にもなった肩の故障
2024年の最終成績は108試合で打率.280、10本塁打、56打点、OPS.764。昨季の打率.289、15本塁打、72打点、OPS.783という数字を軒並み下回っている。しかも外野守備についたのは1戦、1イニングのみ。シーズン最後の会見で明かされたのは、2024年は春先の離脱の原因となった左手だけではなく、また別箇所の故障にも苦しみ続けていたという事実だった。 「肩(の状態)がよくなかった。キャンプからずっとトレーナーさんも含め地道にやって、いろんな手は打った。注射も含め、最善は尽くしたんですけど、メジャーリーグの上のレベルでのスローイングのプレーは厳しいという判断でした」 アレックス・コーラ監督は「今季のマサはいずれにしてもほとんどDHの予定だった」とは述べたが、肩さえ万全ならばこれほどDH一辺倒ではなかった可能性もある。 吉田は「オフスピード(変化球)のスイングには多少なりとも影響はありました」とも語り、打撃面でも適応が必要だったことを認めている。それほど重要な故障との戦いをシーズン中は決して明かさず、ひたすら我慢して走り切った。約20分にわたって現状を激白した今季最後の会見での吉田の表情は、悔しさ、安堵、ある意味での達成感などが混じり合ったものにも見えた。 こうして厳しいシーズンを終えた吉田だが、今オフは安息の時間にはならないかもしれない。今季のレッドソックスは81勝81敗。3年連続でプレーオフ進出を果たせなかった名門チームの周囲には変化の予感も漂っている。シーズン終了直後、一部の地元メディアが改めて吉田のトレードの可能性を伝えているのはメジャーリーグに詳しいファンならご存じの通りである。 「肩のケガの状態と、あとはレッドソックスがマサの残りの年俸をどれだけ飲むか次第だが、トレードの可能性はあると思う。マイナーにはトッププロスペクトが出番を待っている。もともとマサは(クレイグ・)ブレスロー編成本部長ではなく、前のGMが獲得した選手だから感情的な結びつきがあるわけでもない」 ボストンのある地元メディアはそう述べていたが、実際に吉田のトレード話はブレスロー氏の着任直後だった1年前のオフにも出ていた。
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