年金で細々暮らす65歳・元会社員が新NISAに退職金を突っ込んだ結果…米国株神話を盲信した「にわか投資家」の末路【FPの助言】
過去の栄光は未来を保証しない
日本の金利は上昇傾向なのに対して、米国では景気減速から金利は低下傾向なので、日米金利差の縮小が見込まれています。将来を予想することはできませんが、もし見込み通りとなれば円高もあり得ます。その場合には米国株への投資は株安と円高の大きなリスクを負うこととなります。株式投資にあたっては、将来予測は不可能であることを前提に、最大リスクへの対応をしておく必要があります。 確かに、S&P500などの米国株ファンドの成績はここ数年間優秀で伸びもすごかったです。リーマンショックやコロナ禍で一時的に下がっても、それを超えて上昇してきました。しかし、それが続くかどうかは誰にもわかりませんし、保証もありません。過去の成績が未来の成績を保証するわけではないことを理解しておくことが重要です。
投資以上に大切な「人生の資産」とは
老後資金ということであれば、65歳から投資を始めても平均寿命までの約20年間の長期投資にはなります。しかし、85歳になって資産を持っていても一体何になるのかという考え方も一方にはあります。 太郎さんは、この経験を通じて投資の本質について深く考えるようになりました。「お金の不安はあったが、暮らしていけないほどではなかった。本当に投資という手段がベストだったのか?」「自分に本当に必要なものは何か?」 投資は老後の生活を支える手段の一つに過ぎません。老後資金の不安に対する手立てということであれば、年金の繰り下げを行ったり、長く働いたりといった別の方法もあります。 確かに、お金は重要です。しかし、それ以上に大切なのは、安心して充実した人生を送ることではないでしょうか。太郎さんは、投資以外の「資産」にも目を向け始めました。健康、家族や友人との絆、趣味や社会貢献活動など、お金では買えない価値あるものがたくさんあります。 長期投資の真髄は、単にお金を増やすことではなく、将来の自分により多くの選択肢を用意することです。そのためには、金融資産だけでなく、人生全体のバランスを考えることが重要です。
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