足回りで強みを発揮し上物は共創で、新たなモビリティの形を訴求するスズキ
スズキは、最先端テクノロジーの展示会である「CES 2025」(2025年1月7~10日、米国ネバダ州ラスベガス)に初めて出展。長年培った走行技術を核としつつ、新たなモビリティに向けた共創を訴えた。 電動車いすのノウハウを生かした電動モビリティベースユニット 共創例の1つとして紹介したのが、2023年3月に電動台車の共同開発を発表したオーストラリアのApplied Electric Vehiclesとの取り組みだ。 Applied Electric Vehiclesはもともと自動車メーカーに勤めていたメンバーが集まって2015年に設立されたベンチャー企業で、統合制御システムである「デジタルバックボーン」が特徴となっている。2022年にスズキがApplied Electric Vehiclesに出資し、自動運転時代の新たなモビリティ開発に取り組んできた。今回出展したのは、スズキの「ジムニー」のラダーフレームをベースとし、Applied Electric Vehiclesが統合制御などを含めて電動台車として開発したコンセプトモデルだ。人を載せるのではなく、モノを運ぶ用途を想定しているという。 今回のモデルでは自動運転技術については、外部の技術も含めて自由に採用できるようにしているという。「自動運転技術は進化が激しく、さまざまなプレーヤーが生まれている。用途に合わせて組み合わせが可能なようにしている。スズキとしてはジムニーべースの足回りや走行についてのノウハウなどに集中し、Applied Electric Vehiclesも統合制御技術に最も注力できるようにし“餅は餅屋”で勝負できるようにしている。その他の技術についてはCESの場も含めて外部との共創を想定している」(ブース担当者)。 スズキではこの他、電動車いす技術を応用した「電動モビリティベースユニット」も紹介した。電動モビリティベースユニットは、多様なロボットの足回りとしての活用を想定した電動ユニットだ。こちらも足回り部分を走行プラットフォームとして提供し、上部についてはパートナーがさまざまな技術を組み合わせることで、物流や除雪、土木建設、計測や監視などさまざまな用途で使えるようにしている。 CES 2025では、LOMBYとの共創で自動運転配送ロボット、everblue Technologiesとの共創で除雪ロボットなどを披露している。「さまざまな共創先を模索し、新たな価値創出を進めていきたい」(ブース担当者)としている。 ≫その他の「CESレポート」の記事はこちら (取材協力:パナソニック コネクト)
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