学芸大学「スタンドバインミー」洗練されたエスニック料理がやってきた。──特集「東京グルメトレンド」
アジアや中南米などの民族文化に由来する“エスニック”。フレンチや和食の技法を使い、エシカルやサステナブルの視点を取り入れることで進化を続けている。 【写真を見る】進化したベトナム料理とは?
自然派ワインに寄り添うベトナミーズ
2017年にオープンしたわずか4坪の狭小店舗。5人も入れば立ち飲みになるという、まさに「スタンドバインミー」はまたたく間に人気店となり、同じく学芸大学エリアでより広い店舗へ移転。21年には自由が丘に出店、さらに24年には米麺「ブン」の専門店を開業するなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの「スタンドバインミー」。 その人気の秘密は、まず無添加・無化調であること。うま味調味料を当たり前のように使う現地のベトナム料理に比して、素材の味わいがストレートに伝わる繊細な味わいがウケた。また、鶏ガラと野菜をじっくり煮込んだ「フォン・ド・ボライユ」をベースにしたスープのフォーはあっさりとしていながら、深い滋味を感じさせ、最後の1滴まで飲み干したくなる。 さらには豊富にコレクションされた自然派ワインとの相性の良さも魅力のひとつ。ハーブをたっぷり使った前菜にはヴェジタルな白ワインを合わせたくなるし、チキンの甘みが引き出されたスープには無濾過のオレンジワインが合いそう……なんて考える人が多いのだろう。ランチからワイングラスを傾ける客も多い。 ベトナムにはフレンチコロニアルだった歴史があり、店名にある「バインミー」も、バゲットにレバーパテとベトナム風のなますをはさんだフランス色の強いサンドウィッチのことだ。そんな国の料理がワインと合わないわけがない。 ■スタンドバインミー 住:東京都目黒区鷹番2-16-23 M&K鷹番 1F 営:11:00~15:00(14:30LO)、18:00~22:00(21:00 LO) 休:火曜、(当面の間)第1・3水曜 TEL:03-6451-0827 standbanhmi.com
文・秋山都 写真・長野陽一 編集・岩田桂視(GQ)