韓国戒厳令で国会突入、陸軍団長が国民に謝罪…「隊員は前国防相に利用された被害者だ」
【ソウル=小池和樹】韓国で戒厳令が宣布された3日夜に国会に投入された陸軍「707特殊任務団」のキム・ヒョンテ団長は9日、ソウルの国防省前で国民に向けて謝罪し、「隊員たちは金龍顕(キムヨンヒョン)前国防相に利用された被害者だ」と主張した。 【動画】兵士が窓から国会に突入、韓国で戒厳令…議員や市民から抗議の声
戒厳令をめぐる捜査が進む中、現場の隊員たちは事情を知らず尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と金前国防相らに利用されただけだと訴えたものとみられる。
707特殊任務団は、有事の際、北朝鮮首脳部を狙う最精鋭の特殊部隊とされる。国会への部隊投入は、尹氏が3日夜、戒厳令を宣布するテレビ中継を見た直後、特殊戦司令官から指示された。キム団長は197人の隊員を率いて、ヘリコプターで最初に国会に到着。隊員らに国会の門の封鎖や窓を割っての侵入を指示したという。通信社ニュース1によると司令官からは、国会(定数300)の議場に戒厳令の解除要求決議案を可決できる150人以上の国会議員を入れないよう指示された。
キム団長は「戒厳に関する知識がなく、無能で無知だった。隊員たちを許してほしい」と涙を流した。