【アンティーク時計】現代のモデルにも影響を与えた、ツール感満載なアンティークダイバーズの傑作3選
ロンジン/レジェンドダイバー
1950年代後半になると、名門ロンジンもまたダイバーズウオッチを製作している。同社は59年に初のダイバーズウオッチとしてスキンダイバー仕様のRef.6921を発売したが、高度な防水性を求める市場ニーズに呼応してより本格的な仕様を備えたモデルを開発。 それが150m防水を確保した“レジェンドダイバー”だ(60年/諸説あり)。文字盤内に回転式ベゼルを文字盤もち、それを操作するためのリューズと、通常の時刻調整用の二つのリューズを備えたケースを採用しており、先のサブマリーナーとは決定的に異なるスタイリングをもっていた。 なおこの防水ケースを手がけたのは、ケースメーカーのEPSA社で同時様々な時計ブランドに防水ケースを供給していた。そのため、60年代から70年代にかけて、様々な時計ブランドからEPSA社製ケースを採用したダイバーズウオッチが展開されていた。
セイコー/150mダイバー
ダイバーズウオッチの開発が活発化するなかで国産ブランドとして先鞭を付けたのがセイコーだ。諏訪精工舎は国産初の本格ダイバーズウオッチとして知られる“150mダイバー”を1965年に発表している。 この150mダイバーはすでに海外で広がっていたスキンダイバー(特にスキンダイビングなどの大きな水圧がかからないような水上スポーツ向けに設計されたもの)に範を得たものだった。もっともセイコーはその性能に満足することなく、すぐに改良版を投入。さらに67年には独自のワンピースケースを採用し、防水性を高めた“プロフェッショナル 300mダイバー”を完成させている。
文◎堀内大輔(編集部)