福井県美浜町議会が議員報酬60%増額の報告書 なり手不足対策、全国町村議会で3番目の高さへ
福井県美浜町議会は12月19日、議員報酬の増額に向けた検討報告書を戸嶋秀樹町長に提出した。約60%の増額となる月額38万2500円への引き上げを提示。なり手不足の解消につなげたいとしている。提示通りに引き上げられれば、昨年7月1日時点の全国町村議会の中で3番目に高い報酬になる。戸嶋町長は町特別職報酬等審議会に諮問し、見直しが検討される。 町議会本会議で同日、議員提案された戸嶋町長に検討報告書を提出する決議案を賛成7、反対5の賛成多数で可決、提出した。反対討論した崎元良栄議員は「提示額は到底町民の理解を得られるとは思えない」と訴えた。賛成討論に立った河本猛議員は「将来議員となる住民のためによりよい環境を整備することは、現職に課せられた使命だ」と強調した。 美浜町議選は2014、18年は無投票。22年は定数14に対し16人が立候補した。美浜町議の現在の報酬月額は23万5千円(議長30万円、副議長24万5千円)で、県内8町議会では若狭、高浜と同額で4番目に高い。最高額はおおいの28万6千円で、平均は24万1500円。 検討報告書は、審議会からの答申を受けて引き上げ額を再検討し、条例改正案を発議するとしている。定数については、削減は立候補の抑制につながるため、報酬引き上げと引き換えには行わないとした。 美浜町議会は21年にも議員報酬月額を34万5千円に引き上げる改定案を戸嶋町長に提出したが、審議会からの答申では引き上げ幅が大き過ぎるなどの理由で据え置きとされた。 県内では越前市議会が今年3月、南越前町議会が今月6日にそれぞれ各首長に議員報酬の増額を求める申し入れを行っている。ともに具体的な額は示していない。