<選抜注目選手企画>横浜・及川 秋の敗戦糧にマウンドへ上がるドクターK 第91回センバツ注目選手
第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)が3月23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。大会の主役になるのは誰か。活躍が期待される注目選手たちを紹介する。 【センバツを彩った歴代応援イメージキャラクター】 ◇奪三振は1試合平均で12.85個 1、2年夏の甲子園でも登板した横浜の及川(およかわ)雅貴投手(2年)は、三振を奪えるのが魅力の最速153キロ左腕だ。昨秋の公式戦での9イニング当たりの平均奪三振は実に12.85個。30イニング以上投げた出場選手の中では、堂々のトップを誇る。 多彩な変化球を投げ分ける選手が多い中、直球とスライダーのコンビネーションで勝負する。転機は1年秋の神奈川県大会準々決勝での八回コールド負け。鎌倉学園に序盤にノックアウトされ、「得意だった二つの球種を磨くことに集中しよう」と他の球種を封印した。すると、球速が上がり、スライダーの切れも増した。 昨秋の関東大会2回戦も七回コールド負けした。春日部共栄(埼玉)を相手に3回持たずに5失点で降板し、「入学以来、初めての連投で制球できなかった」。冬場はスタミナの強化と、より無駄のないフォームへの修正に取り組んだ。 中学時代にU―15(15歳以下)日本代表に選ばれた逸材も敗戦を成長の糧にする。関東・東京最後の1枠に滑り込んでの自身3度目の甲子園。春夏連覇を達成した松坂大輔(中日)らもつけたエースナンバーを初めて背負う。「自信を持って投げたい」。覚悟を胸にマウンドに上がる。【真下信幸】