年収400万円でも子供の「医学部進学」を諦めてはいけない…「学費0円」で医師になれるコスパ最強の受験方法
■制度を理解し、自分に合った方法を選択するのが重要 現在、一般の大学生の半数以上が何かしらの奨学金を利用する時代です。日本学生支援機構が実施した「令和4年度 学生生活調査」によると、大学(昼間部)で55%、短期大学(昼間部)で61.5%、大学院修士課程で51%、大学院博士課程で58.9%と、かなりの割合の学生が奨学金を受け取っています。また、その数は年々増加傾向にあります。 今や奨学金などの制度を利用し、大学に行くことは、珍しいことでも特別なことでもなく、むしろ一般的なことなのです。 とくに医学部の学費は他の学部と比べても、群を抜いて高額です。志のある学生が経済的な理由で医師への道が閉ざされてしまうことは、個人の夢を奪うだけではなく、社会全体から見ても大きな損失といわざるを得ません。 とはいえ、こうした支援制度の存在を知らずに、夢を諦めてしまう人がいるのもまた事実です。これらの制度をしっかりと理解し、自分に合った方法を選択できれば、お金の心配なく医師になる夢に集中できるでしょう。 実際の地域枠では、どのくらいの経済的サポートを受けられるのでしょうか。 ■新潟県の地域枠は「全国トップレベルの手厚い支援」 図表1は、日本大学医学部の地域枠における6年間の学費と貸与額をまとめたものです(巻末の「地域枠入試攻略シート」より抜粋)。 日本大学の「新潟県地域枠」を見ると、6年間で受けられる貸与額は3660万円。一方、6年間の学費の合計は3338万円となっています。 貸与額が学費を上回るため、新潟県地域枠の学生は学費の全額をカバーできるだけでなく、さらに322万円が手元に残ることになります。 そしてこの余剰金は、なんと生活費に充てることもできるのです。アルバイトに時間を取られることもなく、学業に専念できる環境が整うでしょう。 新潟県は、近年地域枠に力を入れ、全国トップレベルの手厚い支援で注目されています。 新潟県が地域枠を充実させている背景には、医師不足の深刻化が関係していると考えられるかもしれません。しかし、新潟県の医師数を見ると、全国的に見て極端に少ないわけではありません。 では、なぜ新潟県は地域枠にこれほど力を入れているのでしょうか。 その理由を探っていくと、新潟県の抱える医療問題の本質が見えてきます。