「こちらでは僕は1年生」...驚異の《防御率0点台》でカブスをけん引する「今永昇太」が亡き父から「学んだこと」
「こちらでは小学1年生」
最高峰のメジャーで突出した成績を残しても、慢心することを知らないカブス・今永昇太。その理由は背中を見て育った両親の影響が少なくなさそうだ。また、駒大時代は福岡から神宮球場に通ったほどの両親の深い愛情こそが、今永の原動力となっている。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… 前編記事『「重要指標はなんとリーグ2位...!」圧巻の成績を残すカブスの「今永昇太」の登板後に、母が電話で「必ず伝える言葉」』では今永が大躍進できた理由や、登板後に母親がかける言葉などを紹介している。 メジャー担当記者は今永の変わることのない姿勢をこう評する。 「日本で実績を積んで、大きな契約を結んでも『こちらにきたら僕は小学1年生。そういう思いでやっています』と話し、好投を続けていても『次回はどうなるかわからない』と、のぼせ上がるところはない。 19年のCSでは、チームの勝ち頭にもかかわらず、ラミレス監督に短期決戦用として中継ぎで起用されたことがあった。普通なら愚痴のひとつも言いたいような配置転換なのに、今永は『監督と話をしていますし、なんの異論もありません』と、与えられた役割に集中していたそうです。そうした驕らないところも成功の一因だと思います」 今永の両親と10年以上の親交がある元中日スカウトの早川実氏もこう続ける。 「昇太のことはスカウトとして北筑高校のときから見ています。結局は縁がなくて一緒のチームになることはありませんでしたが、お父さんの孝司さんとは、私の先輩が営んでいる福岡の飲食店によく来られていた縁で知り合い、お付き合いを続けさせていただきました。昇太もそれを聞いていたようで、駒大時代、神宮球場で私の姿を見つけると駆け寄ってきて『オヤジがお世話になっています』といつも挨拶しにきてくれました。 お父さんは謙虚な方で、こっちが『息子さんはおそらくプロから指名されますよ』と言っても『本当ですかね? 』と信じられないという様子で、親バカのような振る舞いは一切しない。若いころはバスケットボールをやられていたんですが、昇太をプロにさせようとか、そういうのも全然なかったそうです」