生徒に勧めたい大学ランク 生徒に人気の明治大に大差つける早稲田大 教員の本音は「最難関を目指してほしいのでしょう」
【新・親も知らない今どき入試】 進学校の進路指導教諭がお勧めする大学の第5回は、偏差値や地理的条件、保護者の資力などの制約がない場合、「生徒に勧めたい大学ランク」をお届けする。 大学通信は毎年、全国の進学校の進路指導教諭を対象に、お勧めの大学を調査している。2024年は、約3000高校にアンケートを送付し、766校から回答があった。ポイントは、アンケート項目別にお勧め度の高い順に大学を5校連記してもらい、最初の大学を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。 進学校の教員が、さまざまな制約を度外視して本音で勧めたい大学はどこなのか。1位は2年連続の早稲田大だった。早大は「生徒に人気がある大学ランク」では、1位の明治大とポイント面で僅差の2位だったが、当ランキングでは明大(7位)に大差をつけている。予備校関係者は言う。 「早大に比べると入試のハードルが低い分、明大を支持する生徒が多いが、教員の本音は、最難関の早大を目指してほしいのでしょう」 2位は、22年調査まで8年連続でトップを続けていた東大。生徒に人気がある大学ランクは7位だが、早大と同様に最難関を目指してほしいということなのだろう。 東大を勧めたいとする要因には、運営費交付金に裏付けられた、教育・研究力の高さもあろう。文科省が19年に公表した「国立大学法人運営費交付金の配分状況」によると、東大の運営費交付金予算額を100とした時の他大学の指数は、2番目に多い京大でも68・31にとどまる。京大に続く東北大や大阪大は、東大の半分程度だ。 ポイント差は大きいが、早大と東大に続くのは3位の京大と4位の慶應義塾大で、私立と国立の最難関大が上位に並ぶ。 5位に入った東北大を勧める理由として、研究力を挙げる教員は多い。同大は世界と伍(ご)する研究大学の実現に向けて、10兆円規模のファンドの運用で支援をする、国際卓越研究大に指定された唯一の大学。17年には、東大と京大とともに、世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる大学として、指定国立大に指定されている。 前出の3大学以外の指定国立大は、10位の東京科学大の他、大阪大(11位)、九州大(15位)、筑波大(16位)、名古屋大(17位)、一橋大(18位)と、全大学が上位20位以内に入っている。