鶏肉の生食 実は厳格な規制ナシ…文化どう守る? とりさし協会理事「菌が付着しないような解体してる」 でも「内臓はまず危ない」
■「すぐに治るなら鶏の刺身やタタキを食べたい」と再び受診する人も
谷口医院院長の谷口恭氏は「鶏刺しで食中毒を起こす人はけっこう多い。『高級店だから大丈夫だと思っていた』と言う人もいるが、あまり関係ない。ただ、日本の文化でもあり、絶対に反対という立場ではない。我々の仕事はリスクを知らせることだ」と説明。 さらに、「妊娠中の女性は特にリスクが大きいことを伝えたい。カンピロバクターだけではなく、トキソプラズマは母子感染で胎児に障害が出る可能性もある。妊娠中の女性から相談を受けた際は、『生肉なんて論外』『サラミや羊の生のミルク、タタキも全部やめたほうがいい』と話している」とする。
これに早田氏は「鹿児島・宮崎両県の加工基準の中に、注意喚起をきちんとした上で販売することが盛り込まれている。妊娠中の方や子ども、高齢者、体調の優れない方は控えるように、と告知することになっている」と付け加えた。 谷口氏によると、腹痛と引き換えに食べ続ける人もいるという。「鶏の刺身を食べた」という患者が腹痛と下痢、高熱で受診したところ、カンピロバクターを検出。2年後に再びカンピロバクターが検出されたが、その人は「高熱と腹痛は苦しかったが、すぐに治るなら鶏の刺身やタタキを食べたい」と話したということだ。 谷口氏は「3回受診に来た人には、ギラン・バレー症候群のリスクの話をする。カンピロバクターに感染すると抗体ができるのだが、過剰に暴走して神経を傷つけてしまうことがある。最悪、一生寝たきりにもなるので、『そこまでのリスクを背負えますか?』という話をする」と注意を促した。(『ABEMA Prime』より)