岩手県から日本最古の植物化石を発見 静岡大などのグループ
ルグラン助教によると、日本で過去に確認されていた植物化石は岩手県鳶ヶ森(とびがもり)層、福島県、岐阜県、熊本県の地層から報告された大型植物化石のヒカゲノカズラ類2種と、種類不明の1種のみで、これらは全て後期デボン紀(約3.8億~3.6億年前)のもの。それより1000万年前ほど古い前期デボン紀の記録はなかった。そのため、今回発見された植物化石が日本最古といえるという。更に、アジアでみても中国とベトナムで胞子化石が見つかっているが、年代の特定ができていない。
当時は内陸には植物がなく、水辺に近い地域でしか存在していないことが分かっている。植物と動物の遺骸が菌類によって分解され、土壌が発達し始める。土壌が発達すると木になる植物が繁栄する。ルグラン助教は「日本における古生代の植物の様子を知る手がかりになる。断層が多く浸食されやすい日本で胞子が発見できて良かった。今後も当時の環境の手がかりを探したい」と話している。
研究は日本学術振興会の科学研究費助成事業を受けて行われた。成果は日本古生物学会の「パリオンタロジカル リサーチ」電子版に3月15日に掲載され、静岡大学などが同25日に発表した。