なでしこ植木理子、英挑戦1年目で感じた成長「ビルドアップの作りに参加」に手応え
パリ五輪に出場する「なでしこジャパン」が27日、ニュージーランドとの2連戦(スペイン・ムルシア)に向け、メンバー22人のうち国内組と一部海外組の計15選手とスタッフが、羽田空港発のトルコ航空機で経由地のイスタンブールに向けて出発した。 FW植木理子は昨夏のW杯後にイングランド・ウェストハムに移籍し、初めて海外で1シーズンを戦った。前所属の日テレ東京V時代はセンターFWとして体を張るプレーでチームを引っ張ってきたが、海外では身長164センチは小柄となる。「あっちに行ったらチームメートに『ベイビー』と言われるくらい日本人は小さくて小柄なので」と苦笑いしつつ「その中で毎日強い相手と練習し続けることが良い環境だった」と収穫を口にした。そして「W杯で足りないなと思ったフィジカルコンタクトや、ボールを収めて攻撃につなげてゴールまで導くというところでは、本当にいいシーズン、プラスが多かったシーズンだと思います」と振り返った。 特に手応えを感じたのはビルドアップの部分という。「ボールを収める部分が(自分には)足りないなと思っていた。移籍してチームの状況的にも苦しい状況で、自分がボールを収めてから攻撃するのが多かった。引き出しは増やせたかなと思います」と成長を感じている。 チームはシーズン22試合で3勝6分け13敗と苦しんだ。「ベレーザにいる時は日々上位争いしたし、負ける方が珍しいというか…。それこそ中学生の頃から(下部組織で)ずっとその環境にいたので、ここまで1勝する重みを感じたシーズンはなかった」という。 苦しい状況だったが「劣勢な状況でも勝ち筋を見つけていくことがプラスになりました」と前向きに捉えることができるのが、植木の強みだ。「日本の女子サッカーは世界から評価されていると思いますが、劣勢な状況というのは試合の中ではある。そういう時に勝ち筋を見つけ方というのは学べた部分だと思っています」と新しい経験になった。 今遠征はパリ五輪メンバー18人の最終選考の場でもある。「自分の良さをチームに還元できるように、自分がゴールという明確な数字が一番だと思います。それが個人のアピールでもあり、チームに貢献できることだと思うので。そこがちゃんと連動するようにチームのために体張ってプレーできなければいけないと思います。その先にメンバー選考もあるので、メンバーに残れるように一生懸命がんばりたいと思います」と誓って旅立った。
報知新聞社