【MLB】 クオリファイング・オファー受諾期限は明朝 通算防御率4.76の右腕はQOを拒否するのか
MLBではクオリファイング・オファー(QO)の受諾期限が、日本時間あすの19日朝6時に迫っている。期限を前にして、レッズからQOを提示されたニック・マルティネスが受諾、メッツから提示されたショーン・マナイアとルイス・セベリーノはQOを拒否してFAとなることが既に報じられている。 【動画】Rソックス・ピベッタの8者連続三振
「シーズン中に移籍した選手」「過去に提示されたことがある選手」以外の全FA選手に提示できるクオリファイング・オファー(QO)は、今季も13人のFA選手に提示された。ただ、昨季以前、QOを提示された選手の内、受諾に至ったのはわずか10%ほど。フアン・ソトやコービン・バーンズのような大型契約が狙える選手はQOを拒否する(そして彼らを失う球団は補償のドラフト指名権を得、獲得した球団はペナルティとして指名権を失う)のが通例となっている。 QOを受諾する可能性があるのは、ミドルクラスのFA選手たち。今オフでいえば、マルティネスのような選手が該当する。 マルティネスは先日、レッズから提示されたQOを受諾することが報じられた。マルティネスは今季42登板(16先発)で10勝7敗、防御率3.10の好成績を残したが、34歳と高齢。仮にマルティネスがQOを拒否してFA市場に出ても、球団としてはマルティネスを獲得すればペナルティとして指名権を失ってしまう。そのため、マルティネスがQOの提示(1年2105万ドル)以上に割の良い複数年契約を得ることは難しかったかもしれない。 さらにメッツからQOを提示されていたルイス・セベリーノとショーン・マナイアは、これを拒否してFAとなるとそれぞれ「ジ・アスレチック」と「ESPN」が報じている。セベリーノは今季、31先発(182回)で11勝9敗、防御率3.91。マナイアは今季、32先発(181.2回)で12勝6敗、防御率3.47とそれぞれ好成績を残した。共に米移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」の予測では、セベリーノが3年5100万ドル、マナイアが3年6000万ドル規模の好条件を得ると見られており、QO拒否は決して意外な選択ではない。 ただ、レッドソックスからQOを提示されたニック・ピベッタは、この中では成績がやや劣る。31歳のピベッタは今季、27登板(145.2回)で6勝12敗、防御率4.14。過去に規定投球回に到達して防御率3点台をクリアしたこともない。QO提示自体も驚きだったピベッタだが、「ESPN」のジェフ・パッサンはピベッタがQOを拒否してFAとなる可能性が高いと報じている。パッサンは「少なくとも3年契約が与えられる」と実績が比較的乏しいピベッタが、意外な好条件で迎えられる可能性が高いことを指摘。その理由がピベッタの奪三振の多さと与四球の少なさを両立させられる能力、そして4年連続で140回以上投じている耐久性の高さにある。また、ピベッタの弱点である被本塁打の多さも、極端に打者有利なフェンウェイ・パークを離れれば改善されると見る向きも多い。 あす6時に迫るQO受諾期限。ソトやバーンズ、そしてドジャースから提示されているテオスカー・ヘルナンデスもQOを拒否することが既定路線だが、意外なQO拒否者が出る可能性もある。