「節約しなくちゃ」と言っていたら、小学生の娘から収入を心配されました。お金の教育のためにも、年収は正直に伝えるべきでしょうか…?
子どもから収入について疑問を投げかけられたとき、どのように答えればいいのか困っていませんか。お金の話はデリケートな問題のため、子どもには聞かせたくないと感じるかもしれません。 しかし、お金の話は、子ども自身がお金に関する知識を身につけるよいきっかけです。今回は、子どもに年収を聞かれたときの「答え方」を紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
子どもの疑問はポジティブに受け止める
子どもがお金に関する疑問を抱いたときは、「知識を深める機会」とポジティブに捉えましょう。子ども自身がお金の価値や使い方について、興味を持っているサインでもあります。 子どもの疑問を否定せずに受け止めたうえで、理由を一緒に考えることがポイントです。物事を主体的に考えることで、自分が納得できる答えに行きつけるだけでなく、お金に関する知識を身につけるきっかけにもなります。
子どもに聞かれたら年収を正直に答える
子どもに年収を聞かれたとき、正直に答えるべきか迷うこともあるでしょう。しかし、子どもが興味を持ったタイミングを逃さず、年収について話をしてみてください。年収の概念や、お金の使い方について学ぶよい機会となります。 ■平均年収を参考に正直な年収を伝える 子どもに年収を聞かれたら、正直に答えましょう。その際、親の年収だけでなく、基準となる平均年収も併せて伝えると、家庭の水準を子どもが理解しやすくなります。 平均年収との差を知ることで、親の働く姿に、感謝の気持ちを持つきっかけにもなります。また、日常生活でのお金の使い方を子ども自身が見直すきっかけにもなるでしょう。年齢別の平均年収は、表1を参考にしてください。 表1
出典:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」より筆者作成 平均年収と差があるなどの理由から、親の年収を子どもに言いたくない場合は、平均年収だけを伝えることもおすすめです。 親が回答を拒否すると、子どもは「お金の話はしてはいけないもの」と感じる可能性があります。今後、子どもがお金や仕事について聞きたいことがあっても、躊躇する原因になりかねないため注意しておきましょう。 ■手取りの年収も伝える 親の年収を伝えたら、そこから差し引かれる費用があることも子どもに伝えましょう。主な費用は「税金」と「社会保険料」で、支給額全体の2~3割ほどが差し引かれます。 差し引かれる主な税金と社会保険料は以下の通りです。 ●所得税 ●住民税 ●健康保険料 ●厚生年金保険料 ●介護保険料(40~64歳) ●雇用保険料 税金や社会保険料が、なぜ必要になるのかなども併せて説明すると、子どもの将来にも役立つ知識となるでしょう。