今季一番の冬将軍 福島県県北中心に冷え込み スリップ事故相次ぐ 雪道への備え呼びかけ
福島県県北地方を中心に各地で今季一番の冷え込みとなった9日朝、県内で路面凍結によるスリップ事故が相次いだ。福島市では、車10台が絡む事故が起き、浜通りや会津地方でもスリップ事故があった。中・浜通りでは、まとまった降雪が遅れており、冬タイヤへの交換が例年より遅れているのが一因とみられる。会津地方では歩行者の転倒事故も発生。本格的な冬を迎え、県警や消防は雪道への備えを呼びかけている。今週末には再び寒気が到来する。 福島署によると、多重事故は9日午前7時30分ごろ、福島市桜本字森子段の県道上名倉飯坂伊達線(通称・フルーツライン)の須川橋付近で発生した。 当時、路面は凍結しており、軽トラックがスリップして単独事故を起こした。後続の軽乗用車が減速したところ、さらに後ろの車両がスリップするなどして止まりきれずに衝突したとみられる。乗用車やトラックなどを含め少なくとも10台が関与したとみて詳しく調べている。
福島消防本部によると、男性1人、女性2人の計3人が搬送された。 県警本部のまとめでは、9日午前0時から同8時30分までに県内で10件のスリップ事故が発生した。このうち8件は福島署管内、南会津署管内と双葉署管内で各1件起きた。 県警本部交通企画課の担当者は「寒波情報に注意しながら、ゆとりを持った運転をしてほしい」と話し、凍結路面では速度を落とし車間距離を十分に取るよう呼びかけている。 国土交通省福島河川国道事務所によると、県内の冬タイヤ装着率(11月25日現在)は56%で、昨年同時期より20ポイント下回った。担当者は「急激に気温が下がったことで(タイヤ交換など)対応が遅れた人が多いのではないか」とみている。 南会津地方広域消防本部によると、9日朝、南会津町で80代の女性が凍結した道で転倒し、救急搬送された。中等症とみられる。 ■タイヤ交換作業予約取りづらく 9日、福島市黒岩のタイヤ館福島店では、従業員がタイヤ交換作業に追われていた。