医師が解説 「子どもが最近イライラしてる…」悩む親が考えたい、意外な原因
「うちの子、なんだかいつもイライラしている」「最近ぼんやりしていて、忘れ物も多い……」それ、もしかしたら栄養失調が原因かもしれません。脳もからだの一部であり、栄養素で動いています。子どもの気になる状態が、性格ややる気の問題ではなく、単に、からだに必要な栄養素が足りていないせいだとしたら……?今回は、栄養療法を実践している梶尚志医師による著書『え、うちの子って、栄養失調だったの?その不調は食事で改善します!』(みらいパブリッシング)から、子どもの体調不良改善のヒントを少しだけお届けします。 ◇ ◇ ◇
お悩み【1】「子どもがよくイライラしている、キレやすい」 →タンパク質、ビタミンB群、鉄が足りないかも
こういった症状も、お子さんの性格の問題ではなく、脳に栄養が足りていないことで起きている可能性があります。脳内のホルモンには、やる気を高める興奮系のもの、安定させる抑制系のもの、これらを調整する調節系のものがあり、バランスが取れているのが脳(精神状態)の安定した状態です。 イライラする、キレやすいというのは、このバランスが崩れて興奮系のホルモンが優勢にはたらいている時に起こります。これは、GABAなどの抑制系のホルモンやセロトニンといった調節系のホルモンが不足しているからなのです。ということは、これらのホルモンの原料であるタンパク質、そしてビタミンB6、ナイアシンといったビタミンB群の不足が考えられますね。 それから鉄不足の可能性もあります。鉄もメンタルホルモンを造るのに必要で、これらの栄養素が足りなくなると情緒が不安定になって、イライラしたり、キレやすくなったり、ということが起こります。 特に、成長期の子どもたちは、脳の発達や筋肉、骨の成長のために鉄の消費が激しいので、大人よりも鉄不足が起こりやすいのです。部活などで運動しているお子さんは、なおさら注意が必要です。 鉄を補いたい場合に知っておいていただきたいことがあります。鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があるということです。