カーボヴェルデ代表が世界ランクで日本を追い抜いた理由
FIFAが8月8日に発表した世界ランキングで、37位と7月と変わらなかった日本に対し、49位から一気に36位となり、日本を追い抜いたカーボヴェルデ代表(アフリカ)が話題になっています。今年6月まで72位に低迷していた同代表ですが、2013年は快進撃を続けており、36位へのジャンプアップとなりました。アフリカ勢でも第6位で、カメルーン(51位)、エジプト(61位)、南アフリカ共和国(67位)を押さえています。 カーボヴェルデは、アフリカ大陸の西の沖合い、大西洋に浮かぶバルラヴェント諸島とソタヴェント諸島からなり、1975年までポルトガル領だった小さな島国です。人口は約50万人で鳥取県より少なく、宇都宮市とほぼ同じ人口となります。W杯予選には2002年大会から参加していますが、これまでW杯本戦への出場はありません。 そんな無名の小国が一気に上位に食い込んできたのは実は、FIFAランキングの算出方法に理由があります。過去48カ月分の国際Aマッチの結果での勝ち点に対し、いくつかの係数を掛け合わして算出されるのですが、ここで重要なのが、カーボヴェルデ代表が今年、行った国際Aマッチです。親善試合の場合、係数が1.0倍ですが、W杯予選は、2.5倍、各大陸選手権大会(アジア杯、アフリカネーションズ杯など)の場合、3.0倍となります。 カーボヴェルデ代表は、今年1月に開催されたアフリカネーションズ杯2013の本戦に初出場。一次リーグでは1勝2分(アンゴラに勝利、モロッコ、南アフリカ共和国に引き分け)で決勝トーナメントに進出。準々決勝でガーナに敗れたものの、ベスト8入りを果たしました。6月に行われたW杯アフリカ二次予選では、赤道ギニア、シエラレオネを破り、現在予選リーグ2位。最終戦(9月7日)でチュニジアと対戦し、勝てば、初の最終予選に進出します。つまり、係数の高い倍率の大会で勝ち点を重ねてきました。 一方の日本代表は、東アジア杯で優勝したものの、この大会は親善試合と同じ係数で、倍率は1.0倍。大陸選手権大会と同じ3.0倍の係数だったコンフェデレーションズ杯では3敗を喫すなど、ランキングに影響のある試合で勝ち点が奪えなかったことで、ランクアップがなく、まさかの無名国に追い抜かれることとなりました。