堂本剛「環境が変わっていくだけで僕は僕」 新しいフィールドでの出逢いと揺るぎないもの
ソロプロジェクト .ENDRECHERI.で勢力的な音楽活動を展開する堂本剛が、今年3月31日をもって約33年間所属した事務所との契約を終了、独立を発表した。現在は独立後初となるツアー『.ENDRECHERI. LIVE TOUR 2024「RE」』を開催している(ツアーファイナルはABEMA PPV ONLINE LIVEで独占生配信予定)。以前から「自分らしく生きること」の大切さを音楽を通じて伝えてきた彼が、フィールドを変えて初めて行うツアーで何を伝えるのか。環境は変わりつつも、ずっと変わらない自身の「核」は何であると考えているのか。5月21日大阪公演本番直前の堂本に話を聞いた。(編集部) 【画像】堂本剛、事務所退所後で変わった事とは ■「生きていてよかったな」と言葉にできるようなシーンの連続 ーー現在『.ENDRECHERI. LIVE TOUR 2024「RE」』を開催しており、現時点では3公演が終了したところですが、手応えはいかがですか? 堂本剛(以下、堂本):日本でこれだけの大所帯でファンクバンドをやっている人はなかなかいないので、ファンクというジャンルを軸に活動する中で、もちろん闘いもあるんですけど、それ以上に腹を抱えて笑ったり、生きていてよかったなと言葉にできるようなシーンの連続です。まだ3公演ですが、それでもめちゃくちゃ公演数を重ねてきたような感覚があるくらい、オーディエンスやスタッフが一体となって平和な時間を過ごせています。すごくアットホームですね。 ーー今回のツアーでは、初めて堂本さんのライブを観る方を対象にした「お初さんチケット」も販売しています。“堂本剛”という存在を知らない人は日本にはなかなかいないと思いますが、それでも初めての人へ向けたチケットを販売したのにはどのような狙いがあったのでしょうか。 堂本:“堂本剛”に対する印象は人によって違います。その方がお持ちになるイメージも作品などを通して様々すぎる。それがイメージの面白くもあるところでしょうが、長く活動してきたので、古い記憶の僕のイメージが強い方もいらっしゃると思いますし、僕の言葉や行動でないところの影響によるフィルターにより、自分の内面的な部分の思考回路や、自分の心の色をダイレクトにアウトプットできる場というのは実は意外と少ないので。伝えきれていない僕の現在地を改めてお伝えできたらと感じています。音楽フェスに出演すると、昔の印象を持っていた方々の「彼の音楽にもっと早く出逢っていたら」「もっと早く聴いておけば」という声も耳にしていて、.ENDRECHERI.のアウトプットは浸透していないように感じていました。今回のツアーのタイミングで活動フィールドも変化したので、これまで.ENDRECHERI.の音楽を聴いたことがない人たちにも、ある意味ダイレクトにアプローチしやすくなったとも思っています。「前から気になっていたんだけど……」という人が気軽に足を運べるように今回はこういうチケットを用意しました。実際、僕のライブは平日と休日で客層が随分と違っていて、休日は僕と同性のお客さん、あとは10代、20代のお客さんもすごく増えています。自分のフィールドが変わってステージから見える景色が変わったので、「お初さん席」を設けていることが新しい出逢いに繋がっていて素敵だなと感じています。