八村塁の日本人初NBA開幕スタメン正式発表!ウィザーズが“怪物新人”に求めるものとは何か?
ただ、ブルックスHCが「自動的にプレー時間を与えることはしない。出場時間は自分で勝ち取らなければならない」と話すように、彼らがプレー時間を得ることになったのは、自らが努力したからだ。同HCによると、二人はチャンスを得るためにキャンプ中も早くからジムに来て練習していたという。 二人がそれほどまで頑張れた理由の一つに、早くからスターターが確実とされていたトーマス・ブライアントの存在がある。 3年目のブライアントもルーキーの時にレイカーズに所属したが、ほとんどを下部リーグで過ごし、シーズンを通してレイカーズで得たプレー時間はほんのわずかだった。しかしオフの解雇を経てウィザーズに移籍後、開花した。 その過程についてブライアントは、「腐ってはいられない。コーチ達はいつも僕らを見ている。準備は出来ているのか、戦える精神状態でいるかをね。ボディランゲージですべてわかる。だから僕は決してネガティブにはならず、自分の名前が呼ばれたら、正しい精神状態で臨み自分の能力を思う存分見せてやろうと思っていた」と言う。そしてボンガは、「トーマスのようになりたいんだ。チャンスをしっかり掴んで自らの立場を確立させる。彼のような例が目の前にあることは、本当に励みになる」と目を輝かせた。 ワグナーは熱い選手で、ブルックスHCによるとエネルギーが溢れすぎるため、時々やっていることが分かっているか確かめなければならないという。ワシントンポスト紙によると、練習で八村相手に厳しいディフェンスをし2度シュートを封じ込めた時に暴言を浴びせたそう。 ウィザーズの練習はそれほど熱烈で、若手が競い合っているチームと言っていいだろう。 その中で八村がどんな風に伸びていくか。ウォールは故障中だが、シーズン中もずっとチームに付きコーチのような役割を果たすつもりだという。またビールはキャンプ終盤、チームがだらけていると感じた時に怒鳴りつけてみんなの気を引き締めた。 手本となるベテランがおり、練習では、1巡目指名の自分に負けまいと対抗してくる同年代のチームメイトがいる。 そして、日本時間24日の開幕戦以降は、NBAでスターターを務める最高レベルの選手達との真剣勝負がスタートする。 “のびしろ”を評価された21歳が、どのような成長を見せるか。ウィザーズはウォール、ビールらと肩を並べてチームを引っ張る存在になることを八村に期待している。八村のNBA物語がいよいよ始まる。 (文責・山脇明子/米国在住スポーツライター)