八村塁の日本人初NBA開幕スタメン正式発表!ウィザーズが“怪物新人”に求めるものとは何か?
八村の所属するウィザーズとは、どういうチームなのか。ウィザーズにはジョン・ウォール、ブラッドリー・ビールというNBA有数のガードコンビがおり、過去6年この二人を中心として4度プレーオフに出場、そのうち3度東カンファレンス準決勝に勝ち進んでいる。しかし、ウォールが左足アキレス腱を断裂し今季は全休の見通し。加えてオールスター級の二人の年俸が高いために大型補強が困難でオフは将来有望な若手と数人のベテラン選手を獲得したのみ。今季はウォールの完全復帰が予想される来季に向けての準備期間と言える。 しかし、負け犬になるつもりはない。 今季優勝を狙うチームであり、サイズも能力も経験もウィザーズを大きく上回るセブンティシクサーズに快勝したあと、ブルックスHCは言った。 「相手のサイズがどうであろうが、オールスター級の選手が相手チームにどれだけいようが関係ない。コートに出て一生懸命戦わなくてはならない。だから我々は『いつも全力で戦うチーム』になろうと決めた」 若いがゆえに、相手に及ばないことは多くある。しかし一生懸命にプレーすることは出来る。常に向上心を忘れることなく全力を尽くす。八村はメディアデーでの英語の会見で「プレーオフに進出したい」(ウィザーズの公式サイトより)と話したが、周りに無理だと思われても、それぐらいの気持ちで毎試合挑むことが、ウィザーズが目指していることであり、ブルックスHCは、「その上で、塁はチームにとって重要な存在」と、どんな相手でも力一杯プレーする八村へ期待を寄せた。 八村は、6月のドラフトで日本人初となる1巡目、全体の9位指名を受けた。即戦力として期待されるルーキーだが、今季のウィザーズで興味深いのは、プレー時間を得ようと貪欲に頑張る若手選手が八村以外にも多いことだ。 例えば今オフ、レイカーズからトレードで獲得したモリッツ・ワグナーとアイザック・ボンガ。ともに2年目で、昨季ワグナーはプレーオフが絶望的になったシーズン終盤までベンチを温める立場、ボンガはベンチどころか下部リーグに送られることが多かった。しかしボンガは開幕のスターターに名を連ねるなど、ウィザーズでは多くのプレー時間を得る予定で期待もされており、「チャンスが回ってきたことにワクワクしている」と胸を躍らせた。