【ペット葬儀】8割が個別火葬、遺体安置1か月の例も。葬儀の流れ、料金、マナーなどをペット葬儀社の社長に訊く
ペットが亡くなったらすぐに連絡
犬などのペットが亡くなった時、ペット葬儀社に持ち込む飼い主が多いと思います。ただ、ペット葬儀社と言われても、ペットの死をまだ経験していない人からすれば、どのような場所かイメージがわかないのではないでしょうか。 そこで今回は、日本動物葬儀霊園協会の副理事長で、1980年創業の北陸ペット葬儀社(本社:富山県富山市)代表取締役社長・宮嶋博悦さんに、ペット葬儀社に関する基礎的な話を教えてもらいました。 【画像5枚】ペット葬儀社の火葬場、供養の場所などをチェック ペット葬儀社の利用方法に関する最初の疑問は、連絡のタイミングではないでしょうか。 亡くなった瞬間から犬や猫は当然、過酷な現実として腐敗が始まります。ペット葬儀社に依頼する場合、どのようなタイミングで連絡を入れればいいのでしょうか。 「ペットの亡くなり方もさまざまですし、ご家族の中におけるペットの存在感もご家庭によって異なるため一概には言えない部分があります。 例えば、病気にかかっている高齢のペットを飼っている場合、心構えとして事前にご連絡くださる方もいらっしゃいます。 一方で、行方不明になっていたペットが死後、時間が経過した状態で発見され、ご連絡をくださる方もいらっしゃいます。 ただ、一般的には、どこのペット葬儀社を利用される場合でも、ペットが亡くなってすぐのタイミングになるのではないでしょうか」(宮嶋さん)
お別れから葬儀まで。遺体の安置が必要かどうか
連絡を入れた後は、どのような流れで葬儀まで進んでいくのでしょう。 「仏式の葬儀を基本とする弊社の場合、ペットが亡くなってから納棺、ご葬儀、火葬、お骨拾い(納骨)、供養という流れになります。その中で、葬儀までの期間に遺体の安置が必要かどうかで流れが異なってきます。 例えば、勤務があるためペットの死後すぐに葬儀が行えない場合は数日間の遺体安置が必要になります。また、実家を出た子どもたちが、実家のペットの顔を最後に見たいから葬儀を待ってほしいという場合は、1週間程度などと遺体安置の期間が長くなります。 過去にあった例で言えば、海外留学中の娘さんの帰国を待って葬儀するために1カ月半、遺体を安置したケースもありました。 その期間の長さに応じて安置場所(自宅か葬儀社か)の選択が必要になります。 仮に夏場であっても、1~2日などと短い期間で、ご自宅での安置をご遺族が希望された場合は、安置の方法をお伝えします(※詳細は後述)。必要に応じて、ご遺体のサイズに適した発泡スチロールの容器とドライアイスをこちらからお届けするケースもあります。 安置が長期間に及ぶ場合は、ご自宅での安置が難しくなるため、ペット葬儀社の安置所で遺体を預かり、-30℃以下で安置する方法をお勧めします。 いずれの場合も、安置期間の終了後にご葬儀へ入ります」(宮嶋さん) 自宅での具体的な安置方法としては、小型犬の場合、500ミリリットルのペットボトル4本に水を入れて凍らせ、1本は胸に、1本は背中に沿って置き、タオルを被せ、直射日光を避けた場所に安置するやり方が例として挙げられるとか。 安置を開始して半日が経過したら、残りの凍ったペットボトルを冷凍庫から取り出し、先に使用したペットボトルと入れ替えます。この作業を繰り返せば夏場でも2日くらいは腐敗が防げるそうです。 いざという時のために、ペットを飼育する人は頭に入れておくといいかもしれません。