耳の中が臭いのは病気のサイン? 湿った耳垢と“ワキガ”の関係性を専門医が解説
耳掃除をしたときに、耳垢の臭いが気になる際は、病気のサインかもしれません。悪化すると、難聴の原因になる場合があります。また、“ワキガ”とも関係が深いといわれています。耳の臭いの原因やワキガとの関係性について、共立美容外科の遠山貴之さんに聞きました。 【円グラフ】あなたが夫のニオイ(体臭)が気になりだしたのは、結婚前ですか?結婚してからですか? ◆耳の中の臭いは病気のサイン 耳周りのお手入れ不足も炎症につながる 耳の中の臭いが気になった時に、その原因として耳の病気が挙げられます。病気にかかるとネバネバした膿(うみ)のような液体が耳の中から出てくる「耳垂れ」という症状が表れることがありますが、急性中耳炎や外耳炎、滲出性中耳炎などの病気が考えられます。また、耳垢がたまって外耳道をふさがれてしまうと、耳垢栓塞(じこうせんそく)になる場合もあります。 病気ではなかった場合、耳の中の汗腺が原因で臭いが発生していることがあります。耳の中にある汗腺は体温調節のためではなく、フェロモンとしての役割を果たす汗を分泌します。体温を一定に保つために分泌される汗はさらっとしており、色もほぼ透明に近いですが、耳の中の汗は粘度が高く、ネバネバとした乳白色なのが特徴です。汗自体に臭いはありませんが、皮膚の表面に付着している脂肪酸と混ざり、細菌に分解されると強い臭いを発します。 また、耳の後ろは皮脂腺や汗腺が多く、皮脂や汗が皮膚に残り、残った皮脂や汗に細菌が繁殖して臭いにつながります。お手入れによってある程度改善が期待できますが、臭いが気になる場合は、細菌が繁殖して炎症を起こしている可能性もあので、専門医に相談しましょう。 前述の通り、耳の中の臭いは病気の他にも汗腺が原因の場合があります。汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」があります。「エクリン汗腺」は一部の部位を除いてほぼ全身に存在し、体温調節をする役割があります。ほとんどが水分のため、さらっとしており、臭いも気になりません。しかし、放置すると、時間とともに細菌が繁殖して、すっぱい臭いを発します。