積載力抜群のキャブオーバー常用モデル「スズキ・エブリイワゴン」【最新軽自動車 車種別解説 EVERY WAGON】
商用軽自動車ワゴンとしては唯一となる「スズキ・エブリイワゴン」。後列の柔軟な使い勝手はフラットモードにもなり、車中泊も可能だ。商用ワゴン車以上のポテンシャルを持つと言える。全グレードがターボで走りも力強く、ワゴン用に開発された足回りで乗り心地は上々だ。 REPORT:岡島裕二(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:神村 聖空間効率と後席居住性は特筆 専用足回りで快適な乗り味 【写真】スズキ・エブリイワゴンの詳細を見る 商用のエブリイを乗用にアレンジしたのがエブリイワゴン。ライバルのアトレーがワゴンを廃止したので、このクラスでは唯一のワゴンになる。 エクステリア ワゴンとバンの最大の違いは後席の快適性だ。バンは法規で前席から後ろのスペースの半分以上を荷室としなければならないため、後席にスライドやリクライニング機構を付けるのが難しいが、エブリイワゴンには両方付いているので、積荷が少なければ180mmのスライド機能を利用して後席足元を広げられる。 インストルメントパネル さらに前席と後席を同時に倒してフルフラットにできるので車内で仮眠もとりやすい。それでいて後席を格納すれば広くてフラットな荷室をつくれるので、積載性はバンに負けていない。助手席も前倒しでき、長尺物を車内に積むことも可能だ。 居住性 ただし、パワートレインや先進装備はアトレーに差を付けられてしまった。エブリイワゴンは全車ターボなので力不足は感じさせないが、ミッションが4速ATのため、CVTのアトレーよりも滑らかさで劣ってしまう。変速ショックや排気音も大きくなるし、燃費性能でも不利だ。さらにACCなどの運転支援装備の設定もないため、長距離走行時の疲労度でも負けてしまう。 うれしい装備 月間販売台数 1214台(23年7月~12月平均値) 現行型発表 15年2月(一部改良22年4月) WLTCモード燃費 13.3 km/l ラゲッジルーム とはいえ日常的な走行域ではワゴン用に設定されたタイヤやサスペンションを採用したエブリイワゴンの方が乗り心地が良く、後席も広く使うことができるので快適性を重視する人はエブリイワゴンを選びたい。 ※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.157「2024軽自動車のすべて」の再構成です。 http://motorfan-newmodel.com/integration/157/
MotorFan編集部
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