十明の生歌唱に新垣結衣も「この場の空気が澄んでいくよう」と感激!『違国日記』大ヒット御礼舞台挨拶
「さんかく窓の外側は夜」などで知られるヤマシタトモコの人気コミックを、新垣結衣、早瀬憩のW主演で実写映画化したヒューマンドラマ『違国日記』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が6月13日にTOHO シネマズ日本橋で開催。新垣、早瀬、インスパイアソング「夜明けのあなたへ」を手掛けた十明、瀬田なつき監督が登壇した。 【写真を見る】白いワンピースで登場!大ヒットの喜びを語る高代槙生役の新垣結衣 本作は人見知りの小説家、高代槙生(新垣)と、その姪である田汲朝(早瀬)という対照的な2人の同居譚。2人は理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに家族とも異なるかけがえのない関係を築いていく。 公開後約1週間が経過したこの日の会場は超満員。新垣は「皆さんが劇場に足を運んでくださって、このように席が埋まっているのを見るととてもうれしいです」と笑顔を見せる。早瀬は「映画はいかがでしたか?」と観客に尋ね、拍手喝采を受けると「うれしいです!」と声を弾ませた。 日本での大ヒットに加えて、台湾、タイ、韓国での劇場公開や上海国際映画祭、台北映画祭での上映も決定している本作。これらワールドワイドな広がりに新垣は「なんだかすごいですね!もう日本を飛び出て海を渡り、海外の方々に観ていただけるということで。海外の皆さんにどのように感じていただけるのか楽しみ。反応を聞くことができたらうれしいです」と海外でのリアクションに興味津々。 早瀬も「日本だけでもこんなにもたくさんの皆さんに観ていただけているのに、海外の方々にも観ていただけると思うとうれしくてワクワクします」と喜色満面だった。 一方、プチョン国際ファンタスティック映画祭に参加することが決まっている瀬田監督は「上映後に観客の方とQ&Aがあると思うので、どんなふうにこの映画を感じてもらえるのか気になります。楽しんでもらえたらうれしい」と言い「反響、ご報告いたします」と新垣と早瀬に約束。これを受けて2人は「待っています!」とコメント。 映画の公式SNSで実施中の感想投稿キャンペーンには、様々な好評の声が寄せられている。新垣は「観る人によって違う視点や違う感じ方をしてもらっていて、槙生と朝の2人の生活がいまもどこかで続いていると感じてくれている方もいてうれしいです。思った以上に反響が多くて私も驚いています」と肌で実感してる様子。 早瀬も「たくさんの感想をいただけていることにうれしさと同時に驚いてもいます。私と同じ学生世代の方も映画を観てくれていて、そのコメントを見ると自分と同じ世代にも映画が届けられているんだとうれしいです」と学生世代への広がりに手応えを感じたとのこと。 また新垣は、本作のティザービジュアルにも使用された海のシーンに触れて「あのシーンは画も背景もすてきで、槙生と朝にとっても成長したシーンで、一歩前進した場面でした。お互いに1人の話をしてるけど、違うものが見えていて、人はこんなにも多面的で見えているものがすべてではないし、それを否定しない。朝の台詞で成長を感じて、演じながら新垣結衣としてもじんわりと伝わってくるものがありました。原作にはないオリジナルのシーンですが、大事にしたいシーンでした」と回想。 早瀬も「撮影中もあり得ないくらい穏やかで、波の音も聞こえて景色もきれい。あのシーンがあったからその後の駐車場のシーンにも繋がるので、とても大切な場面でした」としみじみ語ると、瀬田監督も「時間的にもあの瞬間にしか撮れないようなすてきなシーンでした」と述べた。 そしてこの日は映画の予告に使用されている印象的なインスパイアソング「夜明けのあなたへ」を書き下ろした十明もゲストとして登壇。映画の感想を問われ「登場人物は個性的だけれど、生活のなかにいる身近な人のように感じられて、それがとても不思議ですてき。槙生さんと朝ちゃんの居場所がどんどん作られていくところにも感動しました」と語った。 新垣は楽曲について「初めて聴いた時に、こんなにも美しい声が聴けて心が澄んでいく気がしました。映画に寄り添ってくれる楽曲で感謝の気持ちでいっぱいです」と最敬礼した。早瀬も「私は毎日『夜明けのあなたへ』を聴いていて、物語と繋がる部分もあってウルッとしてしまいます。すてきな歌声と歌詞で聴くたびに映画のことを思い出します」とすっかりお気に入りだった。 さらにキャスト、監督、観客が見守るなか、十明が「夜明けのあなたへ」をギターの弾き語りで初生歌唱。聴き惚れた新垣は「第一声から感動!十明さんの歌声でこの場の空気が澄んでいくような気がして、深呼吸したくなりました」と感激する。 早瀬も「鳥肌が立ちました!撮影期間や映画のことを思い出して、思わず泣きそうになりました」と目を潤ませていた。緊張のなかで歌い切った十明も「槙生さんと朝ちゃんの前で歌えたことで、届けたかったところに届けられた気持ちがして本当にうれしかったです」と晴れ晴れとした表情だった。 最後に早瀬は「原作、映画、楽曲、すべてに心を救ってくれるよう優しさのある映画で、私のような若い世代にも響くところがたくさんあると思います。これからもいろいろな年代の方に観ていただけたらうれしいです」とさらなる広がりを祈願。 同じく新垣も「自分のなかでまた1つ大事なものをこの作品からいただいたと思っています。皆さんの感想からも心を救われたり、温かくしてもらえたり、感謝の気持ちでいっぱいです。いろいろなことを感じていただいて、皆さんの人生のなかでふと思い出していただいて、また『違国日記』を観たいと思っていただける瞬間があったらうれしいです」と優しく呼び掛けた。 文/山崎伸子