藤井聡太竜王・名人、仲間も笑うレベルの圧勝劇 羽生善治九段「1秒も考えてない(笑)」リアクションにファン「見えてる世界が違う」/将棋・ABEMAトーナメント2024
もはや敵も味方も関係ないほどのインパクトを残す圧勝劇だ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」本戦トーナメント準決勝・第1試合、チーム藤井 対 チーム永瀬の模様が8月31日に放送された。第6局では藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が登場。増田康宏八段(26)を相手に78手で完勝したが、この内容にチームメイトの羽生善治九段(53)は難所と思われた場面に「1秒も考えていない」と笑ってしまったほど。八冠独占は崩れたとはいえ、七冠保持者の強さをまざまざと見せつけることになった。 【映像】仲間も笑い出す!藤井聡太竜王・名人、圧巻の一手 第3局でも先手番から増田八段に開始していた藤井竜王・名人。スコア1-4とカド番に追い詰められての第7局は、先後入れ替えて増田八段との再戦になった。先手・増田八段が矢倉、後手の藤井竜王・名人が雁木に構えての相居飛車は、序盤から後手がのびのびと指す展開に。50手目を迎えるあたりでは、すでに藤井竜王・名人が形勢でリードし、ABEMAの「SHOGI AI」でも勝率が60%を超えていた。 相手どころかチームメイトまで目を丸くするような選択をしたのは中盤だ。増田八段が▲7二銀と打てば、飛車・金の両取りがかかるのが目に見えているところ、藤井竜王・名人はこれを無視。△6六銀とし、さらに攻めの勢いを強めた。この瞬間、チーム藤井の控室では羽生九段、青嶋未来六段(29)が声を揃えて「えー、えー?え?え!?」と連呼。青嶋六段が「そんな手があるんですか」とようやく別の言葉を絞り出すと、羽生九段は「いや、1秒も考えてないですよ」と笑ってしまった。 ところがこの見切りが絶妙。藤井竜王・名人の勝率は80%、90%とどんどん高まり、終わってみれば78手の完勝譜が完成。対局後には青嶋六段が「これ直線で負けちゃうのは…」と先手・増田八段の心情に思いを寄せると、羽生九段も苦笑いするしかなかった。一連のリアクションにはファンも様々な感情を呼び起こしたようで「強さがおかしい」「すごいリアクション」「見えてる世界が違う」「もう読み切ってたんだろうな」といった声が目立った。 ◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。 (ABEMA/将棋チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部