中川翔子「“オタクでヤバい奴”って言われていた」自分を救ってくれた“幸せの原体験”
ひとりのオタクとしての今の中川翔子
──今は、ジャンルが細分化しすぎていて、メディアも作品も数が多すぎて、たとえばアニメだけでも、とても全部をチェックしきれない状況ですよね。そのなかで、中川さんはどんなふうにチェックしていますか? 中川 同じものはずっと好きなのでせっかくだから新しいもの好きになろうと意識しています。バズっているもの、バズりそうなものは、チェックをするようにしているんです。だってそのほうが楽しいし。だから、時間があれば貪欲に触れてみようと。 ──ただ、オタクであっても、好みのものと、そうでないものがありますよね。 中川 私、若いときのほうが好き嫌いの線引きが明確だったんです。なんか、“レトロなものしか要らない”みたいな。せっかくゲームの雑誌で連載させていただいているのに、“私はスーパーファミコンしか好きじゃありません”という感じでした。 それを考えると、今のほうが柔軟になったかもしれません。今って懐かしい作品から最新作まで、全部配信で観られる、全てを持ち歩ける無敵の状況になったわけじゃないですか。全話観るためにDVDボックスを買わなければならなかった頃を思うと、“なんて楽なんだろう?って。私、絵を描くと肩が凝るからマッサージにいくことがあるんですね。マッサージの台って顔のところが空いているので、その下に端末を置いて、字幕の出るNetflixでアニメとかを観たりしています。 ──最近のコンテンツで気になっているものはありますか? 中川 今はまさに『ガンダム』にハマっている感じです。それから『響け!ユーフォニアム』シリーズも好きですね。あと、Netflixの『地面師たち』にもハマってます。 ゲームは……今はイラストを描く仕事が多すぎてなかなかできないんですが、Webの広告によく出る王様を助けるゲーム……え~と……あ、『ロイヤルマッチ』です。それを地味にずっとやっていたらレベル3000まで行ったかな。特撮は、新作が作られた『忍者戦隊カクレンジャー』にハマり直してます。 ──さて、これからの中川さんはどんなふうにレベルを上げていきたいですか? 中川 亡くなった水木一郎アニキが、“どんなに辛くても、アニソンってヒーローが背中についてくれるから、どんどん元気をもらえちゃう。落ち込んでいたのに歌うと元気になっちゃうんだよね”と教えてくれました。 アニソンはアニキや堀江美都子さんたちが切り拓いてくれた道です。森口博子さんもずっと歌い続けてかっこよすぎます。だから、これからも私の夢はアニソンを歌い続けることです。 それから、いつかシャンソン歌手になること。あとは猫たちを助けること。宇宙にも行きたい! これまでの好きなことが常に頭の中を占めていて、そこにさらに新しいものがちょっとずつ入っていくっていう感じです。だから、今後も好きなものの大木に、いっぱい実をならしていけたらなって思っています。
ミゾロギ・ダイスケ