「パフォーマンスが悪いのは痛みのせい」スポーツの低年齢化で競技人口が増える今「大事にすべき子どものケア」
残暑も落ち着き、スポーツの秋とも言われる体を動かすのに適した季節になりました。運動会や競技大会など、スポーツをする機会が増えるいっぽうで、ケガが心配という家庭も多いと思います。「運動をする子がいるご家庭は、ケガ防止のストレッチを含めたトータルサポートが必要」と話すのは、スポーツ医学が専門で、東京オリンピックでサーフィン日本代表選手のメディカルサポートを担当した岡野整形外科の岡野達正医師。思春期に運動をするお子さんが陥りやすい問題についても話を伺いました。 【写真】「怪我予防に」年代問わずできる医師直伝の足のストレッチ法を教えます(全8枚)
■ピークに向けて運動や予防を考える ── 部活や習い事でスポーツをするお子さんがいる家庭は多いと思いますが、ケガの心配が尽きないという声も聞かれます。 岡野医師:特に思春期の間は、何か目標に向かって一生懸命体を動かさなくてはならないことがとても多いです。たとえば大会を控えているとか、進学のために実績を作りたいなど、目標があって無理をしてしまった結果、ケガをしたり痛みが出たりして休まなくてはならなくなってしまっています。よく聞かれると思いますが、ケガで運動会に出られなくなるというのがまさにそうです。
先のことまで読めていない場合が多いので、どこをピークに考え、そのためにはどんな準備をしていけばいいかというプロセスが大事です。毎日頑張りすぎて、いざ大事なときにできなくなるのは悲しいですね。特にスポーツに力を入れているお子さんがいるご家庭は、ピークに向かっての運動や予防、ストレッチ、栄養とトータルで考える必要があります。 ── 大会前などの大切な時期にトラブルは避けたいですね。 岡野医師:どのスポーツも低年齢化しているのは、オリンピックでもメダルを獲得する方が10代前半からになっているのを見てもわかると思います。小さいころからさまざまな競技に触れる機会が増えているのですが、スポーツをするうえでは、成長のスピードは男女差や個人差が大きいということを踏まえていただきたいです。一般的に女の子のほうが早く成長する傾向にありますが、お子さんの現在の成長段階を把握することが大切です。子どもの骨なのか大人の骨なのかは、レントゲンを見ればわかります。体の成長に合わせて、今の時期はこういうケアが必要だというアドバイスができたらいいなと思っています。