優勝した岩井千怜＝武蔵丘GC（撮影・高橋朋彦）

樋口久子・三菱電機レディス最終日（27日、埼玉・武蔵丘GC＝6650ヤード、パー72）単独首位で出た岩井千怜（22）が68で回り大会記録、大会コース記録をともに塗り替える通算16アンダーで、今季3勝目となるツアー通算7勝目を挙げた。開催地の埼玉県出身で、自身初の地元Vとなった。双子の姉の岩井明愛（22）＝ともにHonda＝と、吉田優利（24）＝エプソン＝が2打差の2位。馬場咲希（19）＝サントリー＝は通算5アンダーで39位だった。 【写真】姉の明愛と喜び合う岩井千怜 地元の埼玉で、文句なしの主役を演じ切った。岩井千怜は最終18番（パー5）をバーディーで締めると、両手を掲げて観衆をあおり、そのままガッツポーズを見せた。 「（あおりは）やってみたいと思っていた。勝ててホッとしています」 単独首位でスタート。前半、岡山絵里に2度並ばれたものの、初日から5、10、15ヤードのパットの距離感を合わせる練習を重ねた成果でチャンスを決めきり、2打差をつけて折り返し。後半は姉・明愛の猛追を受けたが、振り切った。 埼玉県比企郡川島町出身。途中で姉が2位にいることを知り、気合も増した。自身初の地元Vに「みんなのために頑張れた」と破顔一笑した。 19日が20歳の誕生日だった弟・光太も生観戦。日大ゴルフ部所属で静岡の寮に住むため、会える機会は少ない。25日には家族でケーキと歌でお祝いし、「優勝する姿を見せたい」と奮起。今年は父の日に明愛がV、母の日に千怜が優勝したのに続き、弟の記念日には、昨年5月の「RKB×三井松島レディス」以来2度目の、姉妹ワンツー（前回も1位は千怜）をプレゼントした。 12月には、姉妹で来季の米ツアー出場権を懸けた最終予選会に挑戦予定。その前に、次週の日米ツアー共催「TOTOジャパンクラシック」で勝てば、一気に資格を得られる。「勝って行けるのが一番の夢であり目標」。自力で夢の扉をこじ開ける。（高橋朝香） ★姉の岩井明愛は2位

首位と4打差の4位で出た岩井明愛は、上がり3ホール連続で伸ばすなど猛追したが、2打及ばす2位だった。「ちょっと悔しい気持ちと、千怜の優勝を久々に見られてうれしい気持ち」。18番（パー5）では、地面にあるボールを直接ドライバーで打つ〝直ドラ〟で2オン。成功するとギャラリーをあおるなど、妹・千怜と一緒に会場を盛り上げた。