イスラエルに戦争犯罪と警告 ガザの病院攻撃、国連が報告書
【カイロ共同】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は12月31日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザの医療施設への攻撃を繰り返したことで、ガザの医療体制が「崩壊寸前」に追い込まれたとする報告書を公表した。イスラエルに対し、負傷者や病人のいる病院を意図的に攻撃、破壊するのは戦争犯罪だと警告した。 イスラエル軍による病院攻撃を巡っては、赤十字国際委員会も同30日にガザ北部の医療体制が崩壊したと発表したばかりで、国際社会の懸念は強まる一方だ。ガザでは、病院が破壊されるたびに一部を修復し、規模を縮小しながら医療活動を続ける。 イスラエル軍は、イスラム組織ハマスが病院を軍事目的で使っていると攻撃を正当化するが、報告書は、主張はあいまいだと指摘、十分な情報が開示されていないと批判した。 報告書によると、23年10月の戦闘開始から24年6月の間、ガザ地区内の少なくとも27病院と12診療所に計136回の攻撃があった。地区最大のシファ病院では三つの集団墓地が見つかり、約80人の遺体が収容されたという。