森林鉄道の文化未来に 長野県上松町で全国サミット
かつて山中で切り出した木材の搬出に使われた森林鉄道(林鉄)の遺構保存に取り組む団体が集まる「全国森林鉄道サミット」(木曽おんたけ観光局主催)が5日、上松町ひのきの里総合文化センターで開かれた。林鉄の文化が息づく木曽地域に全国から約200人が集い、林鉄の歴史や現状、未来について語り合った。地域の重要な物流手段だった森林鉄道が残した足跡を財産として活用し、積極的に情報発信していくことも確認した。 サミットを共催した全国森林鉄道保存活用団体連絡協議会の酒井秀夫会長は、あいさつで「森林鉄道は過去のものではない。未来に向かって扉を開いていきたい」と力を込めた。基調講演した同協議会の矢部三雄事務局長は「森林鉄道をいかに活用しながら地域の活性化につなげるかが課題」と強調した。 活動報告やパネル討論もあった。会場には鉄道模型の愛好者でつくる「木曽モジュール倶楽部」が森林鉄道のジオラマを展示し、来場者の注目を集めた。 関連イベントとして、6日は午前9時から、王滝村の松原スポーツ公園で「林鉄フェス2024」が開かれる。木材を積んだ列車の記念運行や森林鉄道客車の体験乗車などがあり、参加無料。
市民タイムス