「名探偵コナン」「虎に翼」「あぶない刑事」……2024年の“聖地巡礼”トレンドは?
2024年を振り返れば、アニメやドラマ、映画が地域を沸かせたニュースが目白押しだった。 作中で舞台となったロケ地がファンにとっての聖地となるだけでなく、聖地となった地域とエンタメがタッグを組んでファンをもてなす取り組みも見られた。 ロケーションジャパン12月号(11月15日発売)では、今年の“聖地巡礼”トレンドをアニメからドラマ、映画まで総ざらい。今回はその中から、3つのトピックを紹介する。
今年注目の「聖地」
2024年の“聖地巡礼”を語る上で欠かせない作品と言えば、劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』である。 これまでもシンガポールや八丈島などが物語の舞台となってきたが、シリーズ最高の興行収入となった本作の舞台は、北海道・函館。イベントの開催やオリジナルラッピング電車・バスの運行など、街はコナン一色となり大きな反響を呼んだ。 特に、映画に登場する場所やスタンプラリーのスポットを掲載し、スタンプラリーの台紙を兼ねた「函館まち巡りマップ」は大人気。増刷分を含めて35万枚も発行されたという。市内では、休日・平日問わずマップを手にコナンファンや観光客の姿が見られた。
映像制作者が見つけた新たな「聖地」
2024年は、これまでロケ地として使われてこなかった場所がロケで脚光を浴び、新たな聖地も続々と生まれた。 放映終了後もその感動的なストーリーと登場人物たちの魅力で多くの視聴者に愛され続けている朝ドラ『虎に翼』の数少ないロケ地の一つ、名古屋市市政資料館がそれである。国の重要文化財に指定されている建築物だが、同資料館の自由見学者はドラマ開始後、前年度同期比2.5倍に増加。また、1日だけ行われたロケ地ツアーは、定員80人の募集に7千人の応募があるほどの大盛況となった。
にぎわいを創出する「聖地」
38年続く人気刑事ドラマ『あぶない刑事』の映画シリーズ最新作『帰ってきた 危ない刑事』。映画だけでも今作で8作目となり、ドラマ・映画の全てで横浜でロケが行われている。作品を追うごとに、徐々に移り変わる横浜の景色を楽しむこともできるのもファンにとって魅力だろう。今作では、横浜市でロケ地マップ配布やオリジナルステッカープレゼントのキャンペーンを実施。「第72回ザよこはまパレード」には主演の二人が登場し、38万人が沿道を埋め尽くし多いににぎわせた。 “聖地”を思い浮かべながら、作品の鑑賞を楽しんだり、冬の旅行の計画を立てたりするのもおすすめだ。 (出典:ロケーションジャパン2024年12月号)