鹿児島県知事選まで3カ月 出馬表明の現職・塩田康一氏と元県議・米丸麻希子氏両氏のこれまでの動き
任期満了に伴う鹿児島県知事選挙の投開票が2024年7月7日に行われる。選挙まで残り3カ月を切った4月15日時点で選挙戦に名乗りを上げているのは、2期目を目指す現職・塩田康一氏と元県議・米丸麻希子氏。鹿児島県政のかじ取り役を決める4年に一度の選挙戦。徐々に動きが慌ただしくなる中、2人は何を訴えていくのか、動きをまとめた。 【画像】争点となっている新たな総合体育館の建設予定地
県政の課題「総合体育館の整備計画」
現職の塩田氏は2023年12月、県議会で「私には、ふるさと鹿児島に対する熱い思いがある。その思いは誰にも負けないと自負している。再び県民の皆さまの支持、支援が頂けるなら、引き続き県政対応をしたいと考え、次期知事選への出馬を決意した」と述べた。 九州経済産業局長の職を辞し2020年の選挙に出馬。22万票余りを獲得し、当時の現職や元職ら7人による選挙戦を制した塩田氏。保守系の候補だったが自民党の推薦は得られず、草の根選挙を展開した前回。しかし、今回は早々に自民が推薦を決定し、2024年1月には東京で、岸田文雄総裁から推薦証を受け取った。 この5日前、県庁にはある人物が訪れていた。「何回もお邪魔しているが(鹿児島は)いいところですよね」と話すのはタレントのデヴィ夫人。彼女が塩田氏に要望したのは、県が鹿児島市のウォーターフロントにあった商業施設、ドルフィンポート跡地で進める新たな総合体育館の計画見直しだった。 デヴィ夫人は3月、鹿児島市で講演会も開いていて、集まった約1000人を前に「(ドルフィンポート跡地は)日本の海の玄関口としてすばらしい観光地になる。ぜひ皆さんの力で声を出して運動して、体育館を建てることをやめさせていただきたい」と訴えた。この活動に水面下で関わっていたのが米丸麻希子氏だ。2019年に鹿児島県議会議員に初当選し、自民党の県議として2期目の活動中だった。 鹿児島市内には1960年に竣工した県総合体育センター体育館(県体育館)があるが、老朽化が目立ち、新たな総合体育館の整備計画は長らく県政の課題となっている。県議会は2022年、ドルフィンポート跡地での整備を容認したが、米丸氏は、245億円だった整備費が物価高騰の影響で313億円に膨らんだことや、桜島の景観が損なわれることを理由に、この場所での体育館整備に反対している。