鹿児島県知事選まで3カ月 出馬表明の現職・塩田康一氏と元県議・米丸麻希子氏両氏のこれまでの動き
体育館整備計画が“最大の争点”に
3月の県議会では、塩田氏と米丸氏の間で体育館を巡る激しい論戦も展開された。 米丸麻希子氏: 明らかにさらなる建設費の増加が見込まれるが、知事は本当に400億円を超えないと断言できるんですか 塩田康一氏: 今後の社会情勢の変化等により整備費が膨らむような場合には県議会にも説明し、ご論議を踏まえた上で対応する 米丸麻希子氏: 今回、体育館から遠く離れた場所に住む165万人のうち100万人にとってあまり関係のないものではないでしょうか 塩田康一氏: じゃあ何万人だったらいいのか、160万人全員が使わない施設はいらないのかというと必ずしも県の施設はそういうふうにはなっていないので、県としては希望する方が利用できる公共施設の整備はしっかりと行っていく必要があると考えている 体育館の整備費を含む2024年度の一般会計当初予算案は県議会で可決され、県は2029年7月の利用開始を目指し入札公告を開始した。議会後の囲み取材で塩田知事は「財源の確保等他の事業への影響ができるだけないようにと精査をしながら、しっかり議会での要望も踏まえてしっかり取り組んでいきたい」と述べた。 3月議会を最後に県議を辞職した米丸氏は自民党も離党し、この体育館整備計画を最大の争点に、知事選に名乗りを上げた。出馬会見で体育館の整備場所について問われた米丸氏は「もし鴨池で可能性があるなら鴨池で進めていきたい。知事になることができればイオンに交渉してあの場所で一緒にやっていきませんかと交渉させてもらえればと思う」と述べた。イオンとは2024年8月で閉店予定の商業施設、イオン鹿児島鴨池店を指す。
“保守分裂”の可能性はらむ
どの政党からも推薦は受けない考えの米丸氏。4月10日から各地で講演会を重ね、「子ども医療費の窓口負担(ゼロ)は、中学生まで7億あったらできる。今回、半年間で、体育館(整備費)が68億円上がった。皆さんから集めた税金をどう使うのかはトップの考え方次第」と訴えている。 取材に対し「できる限り(各地に)行って皆さんの声をお伺いしてマニフェストをどんどん深めていきたい」と述べた米丸氏。県内全市町村を回り県民の声を吸い上げたいとしている。 一方、塩田氏は現職ということもあり日々公務に追われているが、自民党のほか、国民民主党も推薦を決め、政党以外の複数の団体も支援する考えだ。塩田氏は「推薦をしていただけるということはこれまでの県政に対する取り組みを一定評価していただいたものと受け止めている」と話している。塩田氏は鹿児島市議会議員選挙が告示された4月7日には、推薦を受ける自民党候補の応援演説を行うなど、根回しも図っている。 塩田氏が強調するのは、農林水産物の輸出金額が2年連続過去最高を更新したことや、鹿児島市への特別支援学校の開校など1期4年間の実績。「私としてはこれまでの取り組んできた実績と、今後の稼ぐ力の向上だったり子育て支援、そういった中身について県民にしっかりと説明しながら支援いただけるように努めていきたい」と述べている。 自民党の推薦を受けた現職・塩田氏と元自民党の新人・米丸氏。2020年の選挙に引き続き今回も保守分裂の可能性をはらむ中、前回推薦という形で意思表示をした野党はこう語る。 立憲民主党 鹿児島県総支部連合会・柳誠子代表(前回は塩田氏以外を推薦): 現段階では県連としてこの人を応援しようということにはなっていない。これから知事選に向け、どうしようかという議論を進めていくと思う 日本共産党 鹿児島県委員会・平良行雄副委員長(前回は塩田氏以外を推薦): 国政(選挙)のレベルで進んでいた、市民と野党の共闘を、県知事選レベルでも行えないか、我々としては模索している 鹿児島県知事選挙は6月20日に告示され、7月7日投開票が行われる。県政のかじ取り役を決める知事選まで3カ月。戦いに向けた動きは着実に加速している。 (鹿児島テレビ)
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