離婚した元夫からの養育費が少なすぎる……。友人に相談すると「送ってくるだけマシ」と言われてビックリ! 少しでも改善する方法はありますか?
養育費とは、子どもの監護や教育のために必要な費用です。離婚したあとも、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を負担する必要があり、具体的には生活費・教育費・医療費などが養育費に該当します。 しかし、子どもを養育している側からすると、場合によっては受け取れる養育費が少ないと感じることがあるかもしれません。そこで本記事では、養育費の定義や金額の目安、生活の改善方法などを解説します。 ▼「3人目3万円」に思わぬ落とし穴! 2024年12月に前倒しになった「児童手当拡充」の注意点
意外と少ない…。養育費の定義と状況
親権者でなくなっても、子どもの親であることに変わりはないため、親として養育費の支払義務を負わなければなりません。つまり、離婚したあとも子どもを監護している親は、親権者でなくなった他方の親から養育費を受け取れます。 養育費の取り決めは、しっかりと父母で話し合うのが一般的な流れです。養育費の支払いがスムーズに行われるように、養育費の金額・支払期間・支払時期・振込先などを具体的に決めておきましょう。 後日紛争が生じないように、書面に残すことが推奨されています。公正証書(執行証書)を作成しておけば、実際に養育費を支払ってもらえないとき、速やかに強制執行の手続きを利用できます。 なお、父母間で養育費の金額がまとまらない場合、裁判所のホームページに掲載されている「算定表」 を参考にするとよいでしょう。算定表によると、養育する子どもが1人で義務者(養育費を支払う側)の年収が500万円、権利者(養育費を受け取る側)の年収が200万円の場合、毎月の養育費は4~6万円です。 「養育費を支払ってもらえない」という状況を防ぐために、2020年4月1日に民事執行法が改正されました。財産開示手続を強化したり、不出頭や虚偽陳述に対する罰則が導入されたりして、養育費の回収手続きの実効性が向上しています。
家計から考える「養育費と生活費」の改善方法
場合によっては、自分の収入と養育費だけでは生活が苦しいと感じることがあるかもしれません。シングルマザー(ファザー)で小さい子どもを養育する場合、フルタイム勤務が難しく、非正規雇用での就労を余儀なくされているケースが考えられるでしょう。 生活を改善するために考えられるのは、公的支援の活用です。児童手当のほかに、ひとり親に支給される「児童扶養手当(児童育成手当)」をはじめ、子どもの医療費負担を軽減する「ひとり親家族等医療費助成制度」は忘れずに申請しましょう。 自治体によっては、家賃の一部を補助するひとり親家庭向けの住宅手当もあります。住んでいる自治体がどのような支援を行っているのか、確認するとよいでしょう。 家計の面でやるべきことは、まず収支の見直しです。現在の収入(給与と養育費)と支出を詳細に把握し、不要な支出があれば削減しましょう。 勤務先が従業員のキャリア形成・キャリアアップに積極的であれば、フルタイムへの転換が可能か相談してみましょう。または、現在より高収入の仕事を探すことも選択肢に入れるとよいでしょう。