レジェンド葛西紀明 復活の理由は再チャレンジにあり
「それまでの僕の減量って断食。3日間断食してその間、水とコーヒーしか飲まない。ところが断食中に筋肉痛になったんですよ。トレーニングした筋肉痛じゃなくて、これちょっと危ないなと思って。食べて運動で消費しようと。朝と夜、走るようにしたんですよね。(走る量は)例年以上、いや3倍、5倍はしているかもしれないですね。 調整方法を変えても走ることへの抵抗は全くなかったといいます。 「走ることは僕はメンタルのトレーニングと思ってやっている。長く走ることで相当長い時間メンタルトレーニングをしていると思うんですよ。それも多分強みのひとつだと思います」 身体と心を鍛え直し、そこに技術の見直しがかみ合って復活を果たした葛西選手。4年ぶりの世界の舞台で感じた手応えは? 「思い描いた通りのレベルでしたね。ここでは2本目に多分残れる、残ってポイントとれる、そういうイメージと目標、それがことごとく当たっていた。気になっているポイントを直せば、ワンステップ上に行ける。確信までは行ってないですけどそういう期待感はありますね」 52歳になって迎えるこのシーズンをひとことで表現するならどんな言葉が浮かびますか?という質問をぶつけてみたところ、返ってきた答えはー 「“再チャレンジ”ですかね。チャレンジではなく再チャレンジ。よかったころのジャンプを取り戻し、来年の世界選手権、2年後のオリンピック、ワールドカップの表彰台っていう、そこに行くための再チャレンジ。たぶん自信がなかったらチャレンジしますくらいの感じなんですけど、できるぞっていう意味を込めて再チャレンジ」
世界のトップを知り、そこに挑む自信がよみがえっているからこそ口にする「再チャレンジ」。進化を止めないレジェンドの52歳のシーズンに注目です。