高級チェアの安売り妨害疑い 卸売りの関家具に排除措置命令 公取委
高級多機能チェア「エルゴヒューマン」を安売りしないよう小売業者に強いたとして、公正取引委員会は19日、家具卸売り国内最大手の関家具(福岡県大川市)の独占禁止法違反(再販売価格の拘束)を認定し、再発防止などを求める排除措置命令を出した。 【写真】エルゴヒューマン=関家具の製品HPから エルゴヒューマンは中国の会社が製造し、関家具が日本の総代理店として国内の小売業者に卸している。価格は9万~15万円程度。コロナ禍で需要が拡大し、2020年度の売り上げは約23億円だった。 発表によると、関家具は遅くとも20年2月~23年9月ごろ、約800の小売業者にエルゴヒューマンを安売りさせず、関家具が求める価格で販売させていた。安売りをした2社に対しては、出荷価格を販売価格の10%分引き上げていたという。 小売業者に対しては、安売りしている業者を見つけた場合に報告させていたほか、安売りしている業者を週に1度ネットで探す担当社員も置いていたという。 こういった違反行為は当時の常務取締役が指示していた。公取委の調査前から違法性を認識していたといい、指定価格での販売要請や出荷価格の引き上げなどについては、文書ではなく口頭で行うよう社員に指示していたという。 公取委に対し、関家具は違反行為を繰り返していた理由について「ブランド価値を守るため」「安売り、値崩れを避けるため」などと説明したという。 関家具は19日、「命令を厳粛に受け止め、法令遵守(じゅんしゅ)の徹底と再発防止に努める」などとするコメントを同社ホームページに出した。(高島曜介)
朝日新聞社