スマート畜産技術導入など推進 鹿県の奄振計画・徳之島
鹿児島県策定の「奄美群島振興開発計画」(2024年度~28年度)の島別振興方策によると、徳之島では重点を置く肉用牛生産のための自給飼料増産、哺乳ロボットや分娩(ぶんべん)監視システムといったスマート畜産技術の導入、ヘルパー組織やコントラクターの育成による省力化推進のほか、群島唯一のTMRセンター(混合飼料生産施設)を活用して、サトウキビ副産物や自給粗飼料を用いた低コスト飼料の生産・利用拡大を目指す。 バレイショは、そうか病・疾病の適期防除や優良種芋の確保による安定生産に取り組む。ヒトエグサ養殖業の振興を図り、シイタケなどの生産、集出荷体制を整備するなど地域特性を生かした特用林産物の産地づくりを進める。 生態系や生物多様性の保全を図るため、アマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)対策などを関係機関と連携して行い、整備予定の世界遺産センターなどを活用しながら遺産価値の普及啓発、観光管理の情報発信に努める。 スポーツ合宿の誘致にも力を入れる。各種スポーツや闘牛大会など個性豊かなイベントの開催を促進して島民の積極的なスポーツ参加も促し、広くスポーツを普及・振興する。また、パラスポーツの普及を目的とした施設のバリアフリー化など必要な環境整備を行う。 交通基盤整備では、既存の航空路の維持を図りながら、東京、大阪、福岡、沖縄などからのLCC(格安航空会社)による直行便路線の拡充に向けて取り組んでいく。 主要港の亀徳港は定期フェリーの安定運航のため、外郭施設の整備や港湾施設の老朽化対策を進める。平土野港は、港湾施設の老朽化対策を推進し、既存岸壁の有効活用も含めたクルーズ船の受け入れ環境を整備していく。