【特集】“運命のタックル”が変えた2人のラガーマンの未来 ケガした選手は「頸椎損傷」、ケガさせた選手は“縦隔がん”に…試練と闘いながら再びグラウンドでの“ワンプレー”を目指す、2人の友情と復帰に密着
“フィールドの格闘技”ラグビーに人生を懸けた2人の選手、中川将弥(まさや)さんと田中伸弥(しんや)さん。高校時代から良きライバル・友人として、切磋琢磨していました。しかし2017年、田中さんから受けたタックルにより中川さんは頸椎を損傷し、車いす生活に。そして、田中さんにも“縦隔がん”という試練が…。“ワンプレー”から変わったラガーマンたちの未来―今も続く熱い友情と切なる想い、そして復帰への闘いの日々を取材しました。 【熱い友情を動画で】“運命のタックル”が変えた2人のラガーマンの未来 「頸椎損傷」・「縦隔がん」と闘いながら再びグラウンドでの“ワンプレー”を目指す、2人の友情と復帰に密着
試合中のタックルで頸椎損傷、プロ契約も白紙に…車いすのラグビー選手・中川将弥さんが目指す未来「僕自身はどこかで『ラグビーできる』と思っている」
ある“ワンプレー”をきっかけに車いす生活となったラグビー選手、中川将弥さん。当時、京都産業大学のキャプテンで、プロ契約も決まっていましたが、試合中に受けたタックルによりグラウンドに倒れました。 (中川将弥さん) 「ケガをした時に一瞬、意識が飛んだんですけど、すぐに戻って。父に足をさすられても感覚がなかったので、そのときに『大きいケガをしてしまったのかな』と」
診断の結果は、頸椎損傷。医師からは、「一生車いす生活になると思う」と告げられました。 (中川さん) 「今もですけど、治ると思っているので。周りから見たら『治らない』と思われているかもしれないですけど、僕自身は、どこかで『ラグビーできるやろう』と、『歩ける』と思っているので、別に深くというか、悲しい気持ちにはならなかったです」
足は動かず、決まっていたプロ契約も白紙に。それでも、15年以上続けていたラグビーへの思いは、消えませんでした。 懸命なリハビリの日々。今では、30分程度なら自分の足だけで立てるまでに回復しました。
中川さんは今、強豪ラグビーチームを持つ『島津製作所』で、社内施設のバリアフリー化や安全管理を担当する傍ら、チームの選手兼コーチとしてラグビーを続けています。
ケガを『した選手』と『させてしまった選手』が互いに迎えた“試練” 学生時代からのライバル同士励まし合い、乗り越えた…ように思えたが― 告げられた“非情な宣告”
中川さんが、“選手としての復帰”にこだわる理由。そこには、学生時代からのライバルの存在がありました。 (中川さん/2022年「近畿大学」での講義で) 「2017年11月25日、近畿大学との最終戦でケガをしてしまったんですが、ぶつかってきた相手というが、隣にいる伸弥です。すごく、えげつないタックル。僕の体勢が悪かったというのもあって、頸椎を損傷してしまいました」
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